本作はまさに「ハコ」のごとく、小品がびっしりと詰まっております。そのどれもが怖い。また、不条理だったりシュールだったりします。140文字という規制のなかで厳選された言葉によって紡がれるホラーイメージの数々が堪能できます。私が特に好きなのが「第5話 ボンタンアメ」。友人の肉体と「あるもの」とがなぜか連動している。私が与えた刺激は、友人の肉体に刺激として現れる……。この怪奇さは癖になります。