140文字。それだけで構成された怖い話たち。足りていないところは、読む方の想像を引き出して埋めるのです。それが怖い。書かれていないことのほうが怖い。なぜって?もし、この世にない悍ましいことを想像してしまったら。あなたはどうしますか?怖さの種は、ここにあります。読むことでこれをあなたの脳の中に入れて欲しいのです。きっと芽が出て、根付きますよ?
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(66文字)
本作はまさに「ハコ」のごとく、小品がびっしりと詰まっております。そのどれもが怖い。また、不条理だったりシュールだったりします。140文字という規制のなかで厳選された言葉によって紡がれるホラーイメージの数々が堪能できます。私が特に好きなのが「第5話 ボンタンアメ」。友人の肉体と「あるもの」とがなぜか連動している。私が与えた刺激は、友人の肉体に刺激として現れる……。この怪奇さは癖になります。