将来何処に住む?今の気持ち
星咲 紗和(ほしざき さわ)
本編
現在、わたしは実家で両親と一緒に暮らしている。両親ともに持病があり、定期的に病院へ通っているが、今のところは自力で歩くこともできるし、日常生活もある程度は自分たちでこなしている。ただ、最近では「歩くのがしんどい」とか「階段の上り下りが辛くなってきた」という言葉を耳にすることが増えた。そういうことを考えると、この先、両親といつまで今のような暮らしを続けられるか分からない。
両親のことを考えると、どうしても将来の住まいの問題が頭をよぎる。わたしはひとりっ子だ。つまり、いずれは両親の介護や相続問題など、すべてを一人で担わなければならない。正直、これは大きなプレッシャーだ。
今考えている選択肢は大きく分けて3つある。
1つ目は、実家を相続して、そのままこの家で暮らし続けること。この場合、両親がもし介護が必要になった時には、介護士や訪問看護のサービスを利用してサポートを受けることが前提となる。ただ、実家に住み続けるには、固定資産税や光熱費などの負担が増える。それに、家の管理もしなければならない。現在、わたしは障害年金で生活しているが、その収入だけでこれらの出費を賄うのは厳しいだろう。
2つ目の選択肢は、賃貸のアパートに引っ越して暮らすこと。こちらは家賃がかかるが、実家のような大きな家の維持管理の負担は減る。しかし、作業所から離れることになるため、生活のリズムが崩れる可能性がある。現在通っているB型事業所の工賃はわずかだが、通い続けることで得られる生活のリズムや社会との繋がりは大切にしたい。
3つ目の選択肢は、グループホームに入ることだ。これは、ヘルパーや世話人が常駐しているため、生活のサポートが充実している。しかし、他の住民との相性や、食事の問題も考慮しなければならない。わたしには感覚過敏があり、特定の食べ物や食材が苦手だったりアレルギーがある。そのため、グループホームで提供される食事が合わない場合、世話人さんに迷惑をかけることも考えられる。
これらの選択肢の中で、どれがベストなのかはまだ決められない。現時点では両親と具体的に将来の住まいについて話し合ったことはないが、いつかはその話をしなければならないと感じている。また、相談支援所の相談員さんやB型事業所の施設長とも少し話したことはあるが、具体的に踏み込んだ相談はまだしていない。
さらに考えなければならないのは、両親がもし寝たきりになった場合のことだ。その時には、介護士や訪問看護の力を借りる必要が出てくるだろう。わたしは介護ができる自信はないし、正直、プロの力を借りた方が安心だと思う。だけど、ひとりっ子ということもあり、誰にも頼れないという現実もある。これがわたしにとって大きな負担となっている。
将来を考える上でのもう一つの不安は、経済的な問題だ。わたしは現在、障害年金で生活しているが、両親がいなくなり、ひとりで暮らさなければならない時、障害年金だけで本当にやっていけるのかが不安だ。現在は、両親からの援助もあってなんとか暮らしているが、それがなくなった時、どうなるのか。今のままでは不安が拭えない。
それでも、大きな変化を急ぐことは自分にとってリスクが高い。わたしは精神的に不安定な部分もあるため、急に生活環境を変えると病状が悪化する可能性があるからだ。だからこそ、次のモニタリングの機会には、もう少し踏み込んだ相談をしてみたいと考えている。
将来に備えるためには、やはり専門のサポートを受けながら少しずつ準備を進めていく必要があると思う。いろいろと調べて、しっかりと考えておくことで、いざという時に備えたい。そして、両親が健在のうちに、少しずつでも将来の話をしておくことが大切だと感じている。
このエッセイでは、わたしが実家で両親と暮らす中で将来の住まいについて抱える不安や選択肢について考えたことを綴りました。ひとりっ子としての責任や障害年金での生活、介護の問題など、現実的な課題に直面しながらも、少しずつ準備を進めていく姿を描いています。
将来何処に住む?今の気持ち 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92
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