EP34:ペニシリン

1928年、アレクサンダー・フレミングという男によって青カビから抗生物質であるペニシリンが発見された。

フレミングは翌年である1929年にこのペニシリンのことを発表するが....当時はあまり注目されなかったため、1940年になるまでは発展しなかった。

....少なくとも、中身が転生者であるスターリンにそのことを注目するまでは。


「初めまして閣下、アレクサンダー・フレミングと申します」


スターリンの前でペコリと頭を下げながらそう言うフレミング。

一方、スターリンの方はというと


「あなたがペニシリンの発見者であるフレミングさんですね!!お会いできて光栄です!!」


フレミングのブンブンと振りながらそう言った。

そんなスターリンの様子を見て、フレミングはポカーンとした様子でこう尋ねた。


「あ、あの....私の研究はあまり役には立たないと思うのですが......?」


それを聞いたスターリンは、とんでもないという様子でこう言った。


「何を言ってるんですか!!あなたの研究は多くの人々の命を救う可能性が極めて高いモノです!!私は、そんな研究をしているあなた方をとても尊敬しています!!ですから、卑屈にならないでください!!」


その言葉を聞いたフレミングはスターリンが本気だと察したのか....驚いたような顔になった後


「......ありがとうございます」


自身の研究を認めてくれる人間がいることを嬉しく思ったのか、目に涙を浮かべながらそう言った。

そんなフレミングの様子を見たスターリンは、ペニシリンの発見者が苦労していたことを改めて理解したのか....拳をギュッと握った後、フレミングに対してこんなことを言った。


「今の世界の人々はあなたの研究を否定するでしょう。しかし、それは今だけの間です。あなたの研究は素晴らしいモノだと証明しましょう!!」


スターリンがそう言うと、フレミングはポロポロと涙を流すと


「はい.......!!」


スターリンの手を握りながらそう言った。


「我々は出来る限りのサポートをします。ですからあなたは気兼ねなく研究に没頭してください」

「何から何まで、ありがとうございます」


スターリンに対し、涙を流しながらそう言うフレミング。

その後、フレミングは政府が用意した研究所で気兼ねなくペニシリンの研究に没頭した結果.....史実よりも早くペニシリンの量産方法を発見。

その結果、フレミングの研究は世界に知れ渡ることになるのだった。

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