EP31:日ソ同盟

ソビエトに天皇が来た次の日....スターリンはというと


「いやぁ、ここで緑茶が飲めるなんて....思いもしませんでしたよ」

「私もです」


天皇と義一と共にお茶(緑茶)と日本からやってきた和菓子職人が作った和菓子(きんつば)を食べていた。


「閣下は本当に日本がお好きなのですね」

「えぇ、日本の文化は世界に誇るべきものですから」


スターリンがそう言うと、義一はコクリと頷いたかと思えば


「ですね」


と言った。

それを聞いた天皇はお茶(緑茶)をジッと見つめると


「我が国のことをそう言ってもらえるなんて....嬉しい限りです」


嬉しそうにそう言った。

彼の目には故郷を愛する感情が写っていて


「陛下....」


その言葉に対してスターリンはそう呟いたのを尻目に、天皇はこう言った。


「あなたは私を現人神ではなく一人の人間として認知している。そのことだけでも私は嬉しいのです」


天皇の話を聞いたスターリンは当時の天皇が神のような扱いをされていたことを思い出すと、天皇に向けてこんなことを言った。


「陛下、あなたは確かに神の血を引いているかもしれません。ですが....あなたも私も、この世界に暮らす唯一無二の存在です。ですからどうか自分を卑下しないでください」


スターリンがそう言うと....天皇は彼が自身のことを唯一無二として表現したことに対し、確かになと思うのと同時に嬉しく思ったのか....思わず微笑んでいた。

そんな天皇を見て義一もまた安心したのか、スターリンに対してこう言った。


「私自身も陛下もスターリン閣下との関係を築くことを望んでいます。そこら辺のことは閣下はどうお考えなのですか?」


義一の質問を聞いたスターリンはしばらく考えた後、こう言った。


「実は私もそのことを考えていまして.....総理が良いのなら、同盟を築こうとは思っています」


スターリンの口から同盟という言葉が出た瞬間、義一は即座にこう言った。


「もちろんです!!」


食い入るようにそう言う義一に対して天皇は微笑みながら見つめ、スターリンはニコニコと笑っていた。


「あ、そうそう。どうせでしたら豚骨スープのレシピをお教えしましょうか?」

「おぉ!!それは助かります!!」

「ぜひ教えてください」


スターリンの言葉に対し、興奮した様子でそう言う二人。

こうして....1928年の秋が終わる頃にスターリンと義一は日ソ同盟を締結。

その結果、ソビエト共和国連邦と日本との交流はますます盛んになり、日本の歴史は大きく変わっていったのは言うまでもない。

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