EP27:アメリカの懸念
さて、ウクライナの復興が進みつつあった頃....北アメリカ大陸の大国ことアメリカはというと
「............」
アメリカ大統領であるクーリッジを筆頭に、最近のソビエト共和国連邦の動きを警戒していた。
「ウクライナでの内戦に大型車を派遣し、人民共和国側をサポートするとは....やはり奴の考えは読めん」
クーリッジがそう言うと、うんうんと頷く側近達。
「報告書によれば、ソビエト共和国連邦や日本ではアニメなどの他に車の生産が活発化しているらしいです」
「.....だろうな」
報告書を机の上に置きながら、そう言うクーリッジ。
その報告書には、ソビエト共和国連邦産の車はフォード社の車よりも性能面や安全面などのあらゆる面で上をいっており、既に来年の自動車レースことル・マン24時間レースに出場するための車両を開発しているという書かれていた。
「奴らが何故そこまで急成長したのかは分からないが.......これは警戒して損はないかもしれんな」
「ですね」
クーリッジに側近に対してそう言った後、別の側近に向けてこう尋ねた。
「ところで....ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国が我が国の武器を購入したというのは本当か?」
「えぇ、本当です。こちらが証拠となります」
側近はそう言うと、クーリッジの前にとある書類を提出した。
その書類はロシア・ソビエト連邦社会主義共和国に武器を売ったとされる商人達のリストで......クーリッジはそれを一通り目を通すと
「....この情報は公表するな。いいな?」
側近に向けてそう言った。
「分かりました」
側近はそう言った後、ペコリと頭を下げた。
「奴らめ、余計なことを....」
ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国に武器を売った商人達に対し、忌々しげにそう言うクーリッジ。
最も、その情報は既にソビエト共和国連邦に筒抜けだったのだが....当のクーリッジはそのことを知らなかったのだった。
「.....ここ半年でスターリンに一体何が起きたのだ?」
クーリッジは疲れた顔でそう呟いた後、スターリン関連の報告書の乗った机を眺めた。
ここ最近のスターリンは割烹着を着て作った料理を部下に振る舞ったり、オモチャ会社を視察したりと、以前のスターリンがやらなかったであろうことばかりをしていたため、クーリッジがそう思うのも無理はなかった。
「もし.....万が一奴と敵対した場合は........徹底的に潰さねば」
大国の大統領としてのプライドからなのか、そう呟くクーリッジ。
しかし、この時の彼は知らなかった。
この数ヶ月後に世界を揺るがす大事件がアメリカで起こることを....
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