EP26:最強の狙撃手
シモ・ヘイヘという男は、史実では最強のスナイパーとして知られている。
本来の世界線での彼はソ連とフィンランドの戦争こと、冬戦争にて活躍したとされる人物なのだが.......この世界ではスターリンにスカウトされ、ソビエト共和国連邦の軍に所属しており
「閣下、お久しぶりです」
彼自身はロシア・ソビエト連邦社会主義共和国の司令官を射殺するなどの戦果を挙げていた。
「お久しぶりですね、ヘイヘさん」
そう言った後、握手を交わすスターリンとヘイヘ。
「ウクライナ内戦での活躍は聞きました。流石はフィンランドが誇る名スナイパーですね」
スターリンがそう言うと、ヘイヘはその言葉に対してこう言った。
「私はスナイパーではなく猟師です。ですが....ウクライナという地を守れたことに関しては安堵しています」
ヘイヘは毅然とした態度でそう言った後、こうも言った。
「ですから閣下、私のことをどうか英雄として扱わないでください」
それを聞いたスターリンはヘイヘは本当に真面目だなと思いつつも、彼に対してこう言った。
「.......確かに、あなたはそういうのは望みませんよね」
スターリンがそう言うと、ヘイヘは
「自分は何と言われても構いません。ただ、私自身は英雄と呼ばれるような行為はしていません」
彼に向けてサラッとそう言った。
その言葉を聞いたスターリンは彼が英雄として名高い理由を何となく察した後、彼に向けてこう言った。
「分かりました。では勲章の授与などは無い方向性でいきましょうか」
スターリンがそう言うと、ペコリと頭を下げるヘイヘ。
「ところで.......例の話、考えていただけましたか?」
ヘイヘに対し、スターリンがそう言うと
「あぁ、新たに立ち上げるスナイパー部隊の件ですか。私のような人間には隊長の座は重すぎます」
ヘイヘはキッパリとそう言った。
しかし、スターリンはそのことを既に先読みしていたのか......彼に向けてこんなことを言った。
「いえ、違います。あなたにはスナイパーの教育を行ってほしいのです」
スターリンがそう言うと、ヘイヘは目を丸くすると
「....私が、ですか?」
思わずそう言った。
「えぇ、あなたにしか出来ないと思いまして」
スターリンがそう言うと、ヘイヘはしばらく考えた後
「...分かりました。その話、喜んで受けさせてもらいます」
スターリンに向けてこう言った。
その後、ヘイヘが指導者を務めたスナイパー部隊はやがて今後起きるであろう戦争で活躍していき、別名【死神部隊】として恐れられるようになるのだった。
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