EP25:オモチャと映画と
ウクライナでの内戦が終わり、徐々に復興しつつあった頃.......スターリンはというと
「ほほぅ、これは面白いですねぇ」
オモチャ会社にて、とあるオモチャを手に取りながらそう言った。
スターリンが手に取ったオモチャは、ソビエト共和国連邦で製作された映画こと【秘密部隊スペツナズ】のキャラクターをオモチャ化した物なのだが....元ネタとなる映画がいわゆるGIジョーのような映画だったためか、そのオモチャはアクションフィギュア系のオモチャだったのでスターリンは内心興奮していた。
「これを作るのには相当苦労されましたよね?」
「えぇ、特に腕の部分が苦労しました」
スターリンの言葉に対し、待ってましたとばかりにそう言う社員。
その言葉を聞いたスターリンは
「この技術は他のオモチャにも活用できそうですね」
と言った。
それを聞いた社員はハッとした顔になった後、スターリンの言葉をメモに書き記した。
「しかし、まさか我が社に閣下が来るとは思いませんでした」
社員はスターリンに向けてそう言うと.......スターリンはニコッと笑った後、こう言った。
「オモチャも我が国の重要な産業の一つですからね」
スターリンがそう言った瞬間、オモチャ会社の社員達からワッと歓声が上がったのは言うまでもない。
「しかし....【秘密部隊スペツナズ】という映画はとても良い映画ですよね」
オモチャ会社の社員に向けてスターリンがそう言うと、社員は
「それは私も思いました!!」
興奮した様子でそう言うものの、相手が相手なだけに我に返ったのか....恥ずかしそうな顔をしていた。
そんな社員に対してスターリンは一言
「自分の好きなことを主張できるのは良いことです。ですからどうか自分を卑下しないでください」
と言った。
その言葉を聞いた社員は嬉しそうな顔になった後、こう言った。
「はい!!」
スターリンはそんな社員のことを微笑ましく思いながら、社員に対してこんなことを言った。
「私自身もよく映画を観に行ってるのですが....【秘密部隊スペツナズ】に対する子供の人気は凄まじいものですよね」
それを聞いた社員はコクリと頷いた後、スターリンの言葉に続くようにこう言った。
「私自身、あんなに胸が躍る映画を見るのは久々で....ですからこの映画をみんなに知ってほしいと思い、オモチャ化しようと思ったのです」
その言葉を聞いたスターリンはフッと微笑むと
「それをこの映画を作った人が聞いたら、泣いて喜ぶでしょうね」
彼に対してそう言った。
なお、彼の所属している会社から発売された【秘密部隊スペツナズ】のオモチャは爆売れし....やがて、【秘密部隊スペツナズ】はソビエト共和国連邦を代表する作品となるのだった。
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