EP23:内戦の終結

1928年秋。

ウクライナで起こった内戦はウクライナ人民共和国の勝利で終わった。

自分達の指導者を暗殺される形で失ったロシア・ソビエト連邦社会主義共和国の崩壊は早く....軍が占領していた州はあっという間に奪還されただけではなく、その州の人々が起こした反乱や逆ゲリラ戦法などなどの様々な要因が重なったことにより、彼らは大敗を喫したのだった。

そして、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国側の人々の大半は捕虜として捕縛され、近々軍法会議にかけられることが決定した....のだが


「まさか、彼らがアメリカ製の武器を使用していたとは思いませんでしたよ」


そのロシア・ソビエト連邦社会主義共和国側がアメリカ製の武器を使用していたという報告に対し、スターリンはため息を吐きながらそう言った。


「えぇ、私もそう思いました」


スターリンの言葉に対してガガノーヴィチはそう言うと、こうも言った。


「ですが、情報員によれば兵士達はアメリカ製の武器を上手く使いこなせておらず、日本の言葉で言うところの宝の持ち腐れ状態だったとか」

「こう言うのはアレですが.......何故使えないのに購入したんでしょうねぇ」


ガガノーヴィチの報告を聞き、呆れながらそう言うスターリン。

それはガガノーヴィチも同じだったのか


「それほどまでに彼らは切羽詰まっていたんでしょうね」


上司であるスターリンと同じように呆れた顔をしながらそう言った。


「....ガガノーヴィチさん、このことをアメリカ側は知っているんですか?」

「えぇ、少なくとも更なる富を求めた商人達の暴走だと政府は認識しているようです」


ガガノーヴィチがそう言うと...その言葉を聞いたスターリンは緑茶を飲んだ後、こんなことを呟いた。


「暴走....ですか」


良くも悪くもアメリカらしいなと思いつつ、ガガノーヴィチの報告に耳を傾けるスターリン。


「アメリカ側はこの一件に対しては知らぬ存ぜぬを貫く可能性は高いかと」

「でしょうね」


報告書を机に置きながらスターリンはそう言った後、こう思った。

この一件が世界に知られた時、間違いなくアメリカは叩かれるだろうな、と.......。


「出来ることなら、アメリカとは良い関係を築きたかったのですが.....仕方ないですね」


椅子をクルリと窓の方に向けた後、残念そうに言うスターリン。

その言葉を聞いたガガノーヴィチは


「.......彼らは舌を何枚も持っている輩です。ですから警戒した方がよろしいかと」


スターリンに対してそう助言をした。

ガガノーヴィチの言葉を聞いたスターリンは


「ですね」


そう言った後、みたらし団子を食べるのだった。

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