EP21:ウクライナ内戦②

さて、ウクライナ人民共和国のダミー物資輸送車作戦と逆ゲリラ戦法によって、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国は徐々に押されつつあった。

そのことに苛立ったロシア・ソビエト連邦社会主義共和国の上層部は、地雷などを使用した無差別攻撃などで形勢逆転を狙っており


「.......」


そのロシア・ソビエト連邦社会主義共和国のやり方にウクライナ人民共和国のリーダーこと、ステパーン・パンデーラの怒りを買ったのは言うまでもない。


「閣下、どうされましたか?」

「.....奴らが我が国で愚行を犯した」


そう言った後、日本軍の司令官にある資料を手渡すパンデーラ。

その資料には、ウクライナ人であるはずのロシア・ソビエト連邦社会主義共和国側の兵士達が何の罪のない民間人を虐殺だけではなく、女性や子供に対して性的な暴力を振るったという事実が淡々と書かれており....それを見た日本軍の司令官は思わず自分の目を疑った。


「.....敵はあなた方と同じウクライナ人、ですよね?」

「あぁ、だがこれはあまりにも惨い行為だ」


そう言った後、拳をギュッと握るパンデーラ。

その様子を見た日本軍の司令官は、改めてロシア・ソビエト連邦社会主義共和国の残虐さを理解するのだった。


「同じウクライナ人として、こうなることは避けたかったが.....これ以上、奴らの好き勝手にはさせない」


パンデーラがそう言うと、日本軍の司令官はコクリと頷いた。

ちょうどその時、ウクライナ軍の兵士がパンデーラの部屋に入ったかと思えば....彼に対して耳打ちをすると


「.....何だと?」


パンデーラはまたもや険しい顔をするのだった。


「閣下、どうかなされたのですか?」


日本軍の司令官がそう尋ねると....パンデーラは完全に怒りに染まった顔でこう言った。


「....... ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国側の奴等が侵攻先の村々の水源に毒を投げ込んだらしい」


その言葉を聞いた日本軍の司令官は驚いた顔になった後


「....被害の詳細は?」


ステパーンにそう尋ねた。


「生存者もいるみたいだが....どちらかと言えば死者の方が多い」


ステパーンはそう言うと、報告して来た兵士に対してこう言った。


「我らの軍に改めて伝えよ。ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国はウクライナの敵だと」


ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国が巻き起こしたこの惨劇は、この世界線では後にバフムートの悲劇として語り継がれていくのだが.....それはまた別の話である。

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