EP13:車革命

さて、ここまでアニメ産業や食品産業に力を入れてきたスターリンだが.......もう一つ力を入れていたことがあった。

それは....自動車の製造である。

この時代、主にフォード社の車が主流であったが....そこに目をつけたスターリンは、ソビエト国内で優秀なエンジニアを集めたり、フォード社に在籍していながらも中々実力が出せない設計者をソビエトに呼び寄せたりと、着々と自動車に関する事業を進めていた。


「閣下、こちらがクッションとシートベルト付きの車でございます」

「うむ」


それと同時にスターリンは安全面のことを考えてか、車に事故を起こした時のようにクッションが発動したりシートベルトを付けたりするように指示していたので、今のスターリンはシートベルト付きの車の視察していた。


「実験の方はどうだったのですか?」


スターリンがそう言うと、車関係の会社の責任者はこう言った。


「閣下の予想通り、シートベルト無しの時よりも体への負担が減少することが分かりました」


スターリンに対し、自信満々な様子でそう言う責任者。

それを聞いたスターリンはニッと笑うと


「分かりました。では今後製造する車にシートベルトを付ける方向性にしましょう」


責任者やエンジニアたちに向けて、そう言った。

それを聞いたエンジニアたちはワッと歓声を上げ、これは忙しくなるなと口を揃えて言った。

そんなエンジニアたちの中から一人の男がスターリンの前に出てくると


「閣下、車のデザインが出来ました」


そう言った後、スターリンに対して車のデザインを見せた。

その車はいわゆるトヨタAA型と呼ばれる車に近いデザインで、そのデザインをジッと見つめたスターリンは一言


「素晴らしいですね!!」


ニコッと笑いながらそう言った。


「このデザインなら、すぐさま売れるでしょうね」

「ほ、本当ですか!?」


スターリンの言葉を聞き、嬉しそうに反応する男。

それをみたエンジニアたちは


「スターリン様が車に理解を示す人で良かったな」

「あぁ!!これで仕事が捗る!!」

「だな!!」


理解者を得たことがあまりにも嬉しかったのか、喜びながら口々にそう言った。


「と言うわけでみなさん、これからも頑張ってくださいね」

「「「「はい!!」」」」


そんなわけで、スターリンが自動車産業に力を入れた結果.....フォード社の車以上に性能が良い車の量産体制が整っただけではなく、それに伴ってソビエト国内での道路整備も進み、徐々に車も普及していくのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る