EP12:世界初のカラーアニメ
スターリンは自国の経済活動を活発化させようと奮闘する一方で、ウクライナの人々に対する謝罪の形として自らの懐からのポケットマネーやらを使って賠償金を払った。
そのことに対し、ウクライナの人々はまさかスターリン本人が行動を起こすとは思ってはいなかったのか....この賠償金をどうするかで論争が起こったものの、スターリン本人がその賠償金を国の復興に使ってくれと発言したことにより、ウクライナの人々はその賠償金を自国の復興材料として使用した。
そして、ウクライナ関連のことが落ち着いたスターリン本人はというと
「.......」
今現在、モスクワ市内にある映画館にてアニメ映画を観ていた。
しかし、ただのアニメ映画ではない。
この世界初のフルカラーのアニメ映画である。
本来の世界線でのフルカラーアニメ映画は、ディズニー・シリー・シンフォニーという短編アニメ映画シリーズの作品の一つである【花と木】で、そのあまりのクオリティ故にアカデミー賞を受賞するほどの作品だったのだが.......【花と木】が公開されたのは1932年で、今回スターリンの前でこの映画が上映されたのは1928年。
しかも、この世界線のロシアでは既にトーキー入りのアニメ映画も制作されていており...スターリンがアニメ産業を後押ししたのがきっかけで数年早くフルカラーの短編アニメ映画が制作、完成したのである。
「い、いかがでしたか?」
緊張気味な様子でそう尋ねるアニメスタジオの社長。
その社長の言葉に対し、スターリンは
「いやぁ、素晴らしい映画でしたよ。ぜひとも世界中に上映させたいですねぇ」
ニコッと笑いながらそう言った。
そんなスターリンの反応を見たアニメスタジオの社長は嬉しそうな表情になった後
「あ、ありがとうございます!!」
スターリンに対してそう言った。
「それから、【お化けのダヴィー】....でしたっけ?あんなにも可愛いお化けが活躍するアニメならば、アメリカ人の心も掴むことでしょう」
スターリンはそう言った後、アニメスタジオの社長の顔はパァッと明るくなり.....スターリンに対してこう言った。
「えぇ!!確実にアメリカ人の心を掴んで見せます!!」
アニメスタジオの社長の言葉を聞いたスターリンはフッと笑った後.....社長の肩に手を置くと
「その意気と覚悟さえあれば、大体何とかなります。ですから、どうか今後も頑張ってください」
叱咤激励をするようにそう言った。
こうして、ソビエトで誕生した世界初のカラー短編アニメ映画はやがて世界を熱狂し.....カラー短編アニメ映画こと【お化けのダヴィー】はシリーズ化するのだった。
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