EP5:過ちへの謝罪
ウクライナはソビエト・ウクライナ戦争を経て、ソビエトの傀儡と化していた。
だが....それはあくまでスターリンが暗殺未遂事件に巻き込まれる前の話で
「............」
今現在のスターリンは、ソビエト・ウクライナ戦争の謝罪のためにウクライナに来ていた。
「やはり、私への恨みは相当なものですね」
自身を非難するウクライナの人々を車窓越しに見ながらそう言うスターリン。
車の外ではウクライナの人々からの罵詈雑言や投石などがあり....一歩車の外に出れば怪我を負うの確実だったため、ガガノーヴィチは車窓の外を眺めるスターリンに対して不安を抱いていた。
そして、そのガガノーヴィチの予想は的中したのか
「すみません、ちょっと停めてもらえますか?」
スターリンはそう言った後、車を停めさせたかと思えば......案の定、車から降りるのだった。
「か、閣下!?」
コイツやりやがった!!
ガガノーヴィチはそう思いながら、スターリンの後を追って車から降りた。
一方、車から降りたのがスターリンだと分かったウクライナの人々は
「スターリンが車から降りたぞ!!」
「何しに来やがった!!」
憎悪の言葉を投げつけるのと同時に、彼に向けて投石などを始めた。
スターリン本人はその投石を躱すことなく、むしろ攻撃を受け入れるかのような姿勢を取っていたため、ウクライナの人々はそんなスターリンに対して次第に違和感を持ち始めるのだった。
「閣下、早く車の中に」
「入りませんよ」
「ですが!!」
「今、車の中に逃げたら自分達の罪から逃げているようなものですからね」
ガガノーヴィチに向けてそう言った後、スターリンは真っ直ぐとウクライナの人々の方を向くと.......日本風の究極の謝罪、土下座を行なった。
「本当に....すみませんでした!!」
その瞬間、ウクライナの人々はポカーンとした顔になり.......これが現実なのかと誰しもが思った。
それはガガノーヴィチも同じで、これは夢だと何度も自分に言い聞かせていた。
「我々があなた方にしたことは許されないことです。ですが.....許してくれとは言いません。あなた方の気が晴れるのなら、この命を差し出しましょう」
土下座しながらそう言うスターリンに対し、ウクライナの人々はこう思った。
コイツ、本当にあのスターリンなのか?と....
「閣下!!」
現在進行形で土下座をしているスターリンに対し、慌てた様子でそう言うガガノーヴィチ。
それを見たウクライナの人々は、スターリンが記憶喪失になった噂は本当だったのかと思ったのか、攻撃することをやめたのは言うまでもない。
かくして....ウクライナに到着したスターリンは、今現在のウクライナのリーダーであるステパーン・パンデーラと会談し、ウクライナはソビエト共和国連邦から独立するのだった。
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