EP9:アニメの影響力

スターリンがアニメーション産業に力を注いでから数ヶ月が経ち.......ソビエトの人々はすっかりアニメという物に魅了されていた。

というのも....スターリンの叱咤激励によってやる気が出たアニメーター達によって様々なアニメが作られたことにより、映画は普通の映画よりもアニメ映画が上映されることが多くなっただけではなく、言論の自由を獲得したことによって大人向けのアニメも作られるようになり、子供だけではなく大人もアニメを楽しむようになったのである。

特に人気のアニメの場合だと、おもちゃ屋と提携してグッズ化することもあり.......そのグッズを作るために工場を建設、稼働するなどの事態に発展。

いつしかアニメはソビエトの人々のなくてはならない娯楽の一つであり、職を求める人々にとっての救世主にもなったのである。

そんな人々の様子を見たスターリンはやっぱりアニメの力は凄いなと思いつつ、自宅のキッチンにて割烹着姿になりながら味噌汁を作っていた。


「閣下、今よろしいでしょうか?」

「ん、何ですか?」


味噌を溶かしながら、ガガノーヴィチに対してそう言うスターリン。

調理中のスターリンに対し、ガガノーヴィチは


「その....ヴィトゲンシュテインフィルムから連絡がありまして......」


しどろもどろになりながらも、言葉を選びながらそう言うと


「あぁ、アメリカの映画配給会社が我が国のアニメをあっちアメリカで上映したがっている件ですよね?別に構いませんよ」


スターリンはあっさりとそう言った。

その言葉に対し、ガガノーヴィチは何で知ってるんだという顔になっていた。


「すみませんね、実はヴィトゲンシュテインフィルムの代表からもう既に連絡を受けていたんですよ」

「な、なら何で先に言わないんですか!!」


ガガノーヴィチがそう言うと、スターリンは


「あなた方にそれを言ったら色々と言われる可能性があったので、あえて言わない決断をしただけです」


そう言うと、オタマを使って味噌汁の味見をした。

そんなスターリンに対してガガノーヴィチは苦虫を噛み潰したような顔になったのだが、そんなのどこ吹く風という様子でスターリンはこう言った。


「それに、我が国のアニメの実力がどんなものかを試す良いチャンスだと思いませんか?」


ガガノーヴィチはたかがアニメに何故そんなにこだわるのかと思っていたが.......その後、アメリカでソビエト共和国連邦産アニメが映画館で上映された瞬間、あっという間に人気に火が付き......そのアニメ関連のグッズがアメリカに輸出される程に人気になった際、彼はアニメの底力に驚かされるのであった。

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