第2話 消えた屋台

老人の言葉を信じて、翔太は市場の裏通りを進んでいた。薄暗く、ひっそりと静まり返った路地を抜けると、ようやく目的地にたどり着いた。そこは、町の人々が滅多に足を踏み入れない小さな広場だった。


広場の隅に、ぽつんと古びた屋台が立っていた。看板もなく、どこか異様な雰囲気を漂わせている。まさに何かが隠されているような場所だ。翔太は期待を胸に、屋台に向かって歩き出す。


近づいてみると、屋台には誰もおらず、たこ焼きの焼き台や道具が放置されたままだった。しかし、その雰囲気には奇妙な感覚があった。翔太は辺りを見回しながら、心の中で何かが引っかかるのを感じた。


「本当にここで微細たこ焼きを売っていたのか…?」


不安に駆られながらも、翔太は屋台の周りをじっくりと観察してみた。すると、ふと目に留まったのは、屋台の隅に転がっていた小さな紙切れだった。彼はそれを拾い上げ、じっと見つめた。


そこには、不思議な言葉が書かれていた。


「この先に進めば、微細たこ焼きの真実が見えるだろう。」


翔太は一瞬驚いたが、興味はますます強まるばかりだった。紙に書かれた言葉は、まるで彼を誘うかのようだ。


「真実…って、一体何なんだ?」


頭を悩ませつつも、翔太はその紙の指示に従うことにした。これまでの手がかりは断片的で、確かなものはまだ何も掴んでいないが、ここまで来たら引き返すことなどできない。


紙に書かれていたのは、どうやら次の目的地を示すヒントのようだった。翔太はその指示を元に、さらなる奥地へと足を進める。広場を抜けると、そこにはまた別の狭い路地が続いていた。


しかし、再び不思議なことが起こった。翔太が振り返ると、先ほどあったはずの屋台が、忽然と姿を消していたのだ。まるで幻のように、何もなかったかのように消えていた。


「どういうことだ…?」


不安と興奮が交錯する中、翔太はさらに謎の深みへと引き込まれていく。誰も知らない、微細たこ焼きの真実がそこにあるのだろうか。あるいは、これはただの噂に過ぎないのか。


次なる道を進む中、翔太は自分の旅が想像以上に不気味なものへと変わり始めていることを感じ始めた。


その時、遠くから小さな声が聞こえてきた。


「微細たこ焼きを探しているのか…?」


翔太は立ち止まり、声の主を探した。しかし、そこには誰もいなかった。冷たい風が吹き抜け、夜の静寂に包まれていた。


翔太の心に、かすかな恐れが芽生える。これはただの噂を追いかける旅ではなく、もっと大きな何かに巻き込まれているのではないかという予感がした。


第2話はここで終了です。消えた屋台や謎の紙、そして不気味な展開が続き、翔太がますます「微細たこ焼き」の謎に引き込まれていきます。次の話では、彼がさらなる手がかりを見つけて、物語は一層深まっていきます。

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