第6話 0日目 よるごはん1

『あ、そういえば人になったってことは…。色々わからないことあるよね!』


「そうですね、わたしわかんないことが多いですね…。」


水槽から見える範囲の生活は、なんとなく知っているけど。それ以外はよくわからない…。


『まあ、これからゆっくり教えていくよ。焦んなくて大丈夫だよ。』


「ありがとうございます。」


楽しみだな、いろんなことを一緒にできるのかな…。


『待てよ?てことはごはんも人のものになるってことだよね?…。家には、何もないから、買いに行こうか。』


「え、あ、あの向こうに行くんですか?」


『うん、そうだよ。外に行こう。そして、ご飯を買いに行こう。』


「少し怖いですけど、頑張ります。」


あの向こうに、行くんだ。いったい何があるんだろう。ワクワクもあるけどドキドキもある。緊張するよ…。


「あの、不安なので手を繋いでてもらってもいいですか?」


『うん、構わないよ。』


「ありがとうございます。」


『それじゃあ、行こうか。』


わたしは、いつもりゅうさんが行っている外の世界に足を踏み出した。色々な音がする。色々なものがある。面白い…。怖いと思っていたけど、りゅうさんもいるし、少し安心だ。


「りゅうさん、あの早く動いているのは何ですか?」


『あれは、車っていうんだ。あれに乗って移動すると遠くまで行ったり、早く移動できるんだよ。』


「りゅうさん、あの大きな丸いのは何ですか?」


『あれは、太陽だよ。朝と夕方はとっても赤くなるんだ。』


わからないことや不思議なことを沢山質問しながら、歩いていたら、コンビニというところに着いた。

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金魚 目尾ゆず @syakano0

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