エピローグ


 翌日。天牙がベッドで目を覚ますと、股の間はもっこりしていた。


「夢じゃなくて良かった……」


 天牙は起き上がり、辺りを確認したあと、少し切なく笑い、服を着替えた。


 あのあと、イヴがナホの魔法杖を元にイルドの魔法杖を生成して、天牙のアレを元に戻したの。再び魔法少女になれることになったイルドは涙し、魔法杖を大事そうに抱きしめていた。


 着替え終わった天牙。彼は荷物を持って玄関を出る。

 通学路を歩きながら、ふと、昨晩のことを思い返す。


 結局、イルドはナホに止めを刺すことは無かった。というか、するつもりが無かったようで。


『別に拷問されるのは嫌じゃなかったんだけどね。まあ、天牙くんとイヴの気持ちを知ったら、荒ぶるナホを止めるしかなったよ』


 イルドの苦虫を潰したような表情を見て、 天牙とイヴは肩を落とした。


『それでナホについてなんだけど、私に一任してくれないかな』

『俺は別に構わないが……』

『うちはイルドちゃんを信じてるからね』


 イルドはクスっと笑い、イヴと共に光の粒子に包まれていく。天牙も同様に光の粒子に包まれ、気づくと自宅のベッドで寝転んでいた。


 俺のアレを取り戻すまでの約束だったし、これ以上関わるってことも無いか……。


 と、色々な思い出を振り返り、感傷に浸っていると、校門の前が騒がしいことに気づいた。


 気になった天牙が慌てて向かうと、


「あっ、天牙く~ん」


 笑顔で手を振っているイルドと、


「……」


 イルドの椅子になっている制服姿のナホがいた。

 イルドはナホの尻を叩きながら、天牙に話しかける。


「これが一番の罰かなと思ってね。せっかくなら股の間に正の字のサインでもしちゃいよ」

「イ、イルドさま、さすがにそれは……ひゃふっ♡」


 イルドが思い切り尻を叩き、ナホは思わず喘ぐ。


「こら、天牙くんが来たらご主人様~って言わないと」


 校門の前で対峙する天牙とイルドとナホ。

 ナホは天牙の方を見ると、唇を噛みしめ、屈辱に塗れた表情で、


「ご、ご主人様ァッ⁉」


 泣き叫ぶ。


 周囲にいた人だかりがまた騒ぎだす。


 天牙は深~いため息をついたあと、少しだけ満足気に微笑み、イルドの元へ向かった。

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魔法少女の変身する杖が俺のアレになってしまったのだが。――変態女子高生・凄照イルド編―― 牡丹餅侍 @botmochi_samrai

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