第一話 隣のあの子
5月上旬、
2年B組の教室は今日もにぎやかである。その中でも目立っている人物がいる。
その彼の名前は
いつも明るく運動神経抜群で、男女問わず憧れの存在になっている高校2年生。
そんな菜月は、今日も楽しく男子たちと話している。
「なぁなぁ!菜月!今日の数学の小テストどうだった?」
「全然!そうゆうお前はどうなんだよ!」
「俺もよ!でも矢技さん今日も満点だってよ!ほんとスゲーよな!」
菜月の隣で静かに本を読んでいる人物がいた。
彼女の名前は
菜月とは対照的におとなしめの性格で学年トップの成績を持つ高校2年生。
「でも菜月はさぁ、矢技さんと話したことあるんだろう?」
矢技さんと初めて話したのは、
2年生なって最初の生物の授業で教科書を忘れたときに、
「よかったら、一緒に見ます?」
と声をかけてくれた時だ。
「あれ以来、たまに教科書見せてくれてたんだけどそれ以外話さなかったなぁ。」
「へぇー。まぁ、頭いいのはほんとうらやましいかぎりだぜぇ!」
そんなふうに矢技さんはひそかに注目を浴びている。
キーンコーンカーンコーン
「おーい、お前ら席につけー。授業始めるぞー」
と、話していたら授業が始まる時間になっていた。
午後の授業 5時間目は体育の時間だった。
「なぁ、菜月!次体育だぜ?着替えないのか?」
同じクラスメイトの仲がいい男子が寄ってきた。
「あ、あぁ、俺まだちょっとやることあるから、先に着替えといてくれ。」
「そうか?わかった!んじゃあまたあとでな!」
「おう、またあとで!」
クラスメイトは先に着替えをすませ外に行った。
菜月は誰もいないことを確認して急いで着替え、外に出た。
「今日はバスケットボールだ。ケガには十分注意するように。」
今日はバスケットボールみたいだった。菜月は球技のみならず陸上もとても速い。
「なぁ菜月!どうやったらそんなに運動神経がよくなるんだよ!うらやましいぜこんちきしょう!」
菜月と敵チームになった友達がこういった。
「うーん。まぁ、才能?ってことかな?(笑)」
「あ、お前今煽ったな!!くぅー!!俺もこんなこと言ってみたいぜ!!」
菜月は今日も大活躍のようだ。
菜月のチームが休憩していた。
「矢技さんー!!そっちいったよ!!」
女子の体育のほうを見ると、外でサッカーをしている様子だった。
優の姿が見えたがすごいあたふたしてるように見えた。
「えいっ。」
優の放ったボールは、見事に反対方向に飛んでいった。
優は運動音痴のようだ。
その結果、優のチームは負けた。
同じチームの子は励ましていたが、優自身はやっぱり気にかかっていた。
体育が終わり、菜月が着替えおわったときだった。
「立花くん、ちょっといいですか?」
矢技さんが話しかけてきた。
「ここだと、ちょっとあれなので...。校舎裏に来てくれますか?」
「あ、あぁ...。うん、わかった。」
SHRが終わり、校舎裏に行くと、矢技さんが待っていた。
「立花くん、来てくれてありがとう。」
「別にいいけど、どうしたの?」
「えっと...、単刀直入に聞きますね....」
矢技さんが息を整えてこう発した。
「立花君って女の子ですよね?」
鏡に映る君と僕 緑のかゆみ @midosan04
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