第5話  それぞれの幸せ

利久人が珍しく校門の前で立っていた。 そこにはクラスで人気の結が「あ、待った?」と言って明るい顔で利久人に声を掛けた。 利久人が「おう、今日はどこへ行く?」と声を掛けて楽しそうにしていた。美南がその利久人の様子を見て跡を追うことにした。美南が「利久人、どこへ行くのかな?」と思い、跡を追うと結の家の前に辿り着いた。

美南が、結の家の前でキスをする所を目撃し、美南は「あ、利久人。」と手を振ったが、利久人は何も言わず結が「早く行こう。」と言って、利久人を家に送りに行った結は美南を睨んでその場を後にした。 美南が「え?嘘。」と言ってその日は、がっかりしたように下を向いて家へ帰って行った。美南の友達の真衣が「あれ、美南、帰って来たのね」と声を掛けると、美南が「え?真衣、どうしたの?」と声を掛けると、真衣が美南の家に上がっていた。真衣が「いやいや、今さっき、美南が見えたから心配して、家に来てみたら美南が、がっかりしているからさ。」と声を掛けた。美南が「あぁ、そうなの、私は元気だから大丈夫だよ。」と言っていたが、目頭から涙が零れていた。  真衣が「どうしたの?美南」と声を掛けて美南が「今、私の気になっていた、利久人が結ちゃんとキスしていたところを見たの。」と泣いていたが、真衣が「ええ、そうなの?」と声を掛けた。真衣は、「落ち着いて、話を聞いてね、今は利久人君も、結ちゃんの事を好きなのかは分からないと思うわ」と相談にのり、美南が「そうかな?」と怯えた顔をして真衣の顔を見た。 真衣が「そんなに気になるのは、利久人君の事を好きなのよ。」と美南に返事を返した。美南は「そうね、そうじゃなかったら、今泣いてない。」と素直な気持ちをそのまま真衣に伝えていた。 真衣が「そうね、じゃ、今度は利久人君に気持ちを伝えられるね。」と言って、真衣は美南の家を「お邪魔しました。」と言って家を後にした。

美南が真衣に「ありがとう。」と気持ちを伝えた。真衣が「美南、気を確かに持って利久人君に伝えれば、解ってくれるわ。」と最後に言葉を残した。美南が「さようなら。」と言って真衣を見送った。 利久人の家に行くと美南がチャイムを鳴らしたが、誰も出て来ない。美南が「あの、利久人居ますか?」と声を掛けると利久人が「はい。」と返事をして玄関のドアを開けた。

美南が「利久人、あれから何も声を掛けてくれないから心配したよ。」と声を掛けた。利久人は、「ごめん、俺もあの時は、結と一緒に居てまさかキスまでされるとは思っていなくて、すごく気になっていた、美南の事。」と話をして美南に気持ちを伝えた。素直な気持ちに美南は「ありがとう、こんな何も言えなくなってしまう私を何時も気に掛けてくれて嬉しいよ。」と伝えていた。美南と利久人は、その後、またあの日に見た橋の所で二人で夕日を眺めていた。


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君の目に映るもの 影山 みはつ @mihatsu1865

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