その演出に異議あり!(あくまでも個人的な見解です)

@tataneko

第1話 「夫の家庭を壊すまで」にツッコミ!

テレ東の夜11時、ドラマプレミア23で放送された「夫の家庭を壊すまで」

先日、最終話を迎えました。


妖艶な魅力がある、松本まりか様が主演ということで、とりあえず観始めて、何となく最後まで観てしまいました。


原作の漫画は読んでいませんが、おそらく原作通りに実写ドラマ化していると思います。「セクシー田中さん」の影響を考えれば、原作から大きく内容を変更するだけで、炎上しそうですからね。


さて、ストーリー展開は漫画なら楽しめそうですが、実写ドラマとしては「異議あり!」と言わざるを得ません。


夫が、不倫相手ともう一つの家庭を持っている、という設定は、昔なら、そう珍しい話ではありません。「酒と女は2ごう(合・号)まで」と、テレビでも笑い話として普通に言われていました。意味は分かりますよね。


このドラマの軸となるのは、母親(義母)が復讐のために息子(夫)に指示して、資産家の娘(嫁)と結婚させて、遺産を奪うことを計画している。その裏で不倫相手ともう一つの家庭を持ち、嫁を裏切るという設定です。


嫁は学生時代からの純愛が成就した結婚なので、夫の不倫をまったく疑わない。子どもがいて、絵に描いたような幸せ。しかし、義母が孫の面倒をみてくれるやさしさは演技で、実は復讐のための裏切りを計画している。それを知った嫁は、悲しみのどん底から立ち上がり、夫と義母に復讐を決意する、というドロドロしたストーリーです。


マザコンで母親の言いなりの息子なら、あり得ない話ではないですが、そういう設定でもないようです。息子(夫)は会社では「デキる上司」で、母親とベタベタする関係ではなく、復讐のためのパートナーという雰囲気です。


まず、復讐のために10年以上も愛のない結婚生活を送るという設定なのに、夫の復讐への動機や執着がなさ過ぎる!


不倫相手の子どもは、前夫との子どもなので血のつながりはない。もちろん、他人の子でも、愛情が生まれることはあるでしょう。それにしても、愛のない結婚だから、我が子への愛情よりも、不倫相手への愛情が上回るというのは、夫の心情を無視しているのでは? と思います。


義母にしても、それで復讐が果たせるのか?

と疑問に思います。本当の復讐相手である資産家の父ではなく、その娘(嫁)をターゲットにしているのです。


少し、ややこしいですが、嫁は資産家の父の不倫相手の子どもなので、おそらく認知されていません。シングルマザーの子どもとして育ちます。その母は早くに亡くなって、祖父が親代わり。資産家の父から受け取った多額の養育費(口止め料込み)を、嫁が遺産として受け取ったときに横取りしようという計画です。


そんな確実性のない計画で、10年以上も耐えられるでしょうか。私なら無理です。余程の動機がないと、モチベーションを維持できません。


漫画なら、そういう設定やストーリーも楽しめます。でも、実写化すると、どこかに、もしくは誰かに感情移入できないと、グッとのめり込んで観られない、と個人的には思います。あくまでも、個人的な意見です。


それで、「その演出に異議あり!」と感じたのは、修羅場のシーンです。


義母がナイフを持って、嫁を刺そうとする。それを不倫相手の息子(嫁に恋愛感情あり)が、嫁に覆いかぶさってかばう。血がポタポタと床に落ちる。


しかし、その血は、夫が義母の持つナイフを素手でつかんで止めたから、という展開です。


そんなことする?

というのが正直な感想です。


拳銃、もしくはボーガンで、遠く離れた場所から狙っている。助けるためには、自分が盾になるしかない、という状況なら分かります。


目の前で、犯人がナイフで刺そうとしていたら、犯人を止めますよね。

そして、絶対にナイフをつかもうとは思いません。腕をつかむのなら分かります。

うまく止められずに刺されてしまう、という演出なら、ギリギリ納得できます。


屈強な男性ではなく、孫がいる年齢のおばさんですよ。

ナイフを持っていて危ないとはいえ、男性二人で立ち向かえば、完全に止めるのは難しくても、嫁が逃げるまでの時間稼ぎはできるでしょう。


自己犠牲と愛情表現のためのシーンを描きたい、血をポタポタさせてミスリード(視聴者が勘違いするような演出)したいからって、ありえない演出は、視聴者が冷めてしまいます。ますます感情移入できない。


ドラマのラストでは、嫁が、不倫相手の女性を抱き締めます。


人生が思い描いたようにはならず、心がすさんでしまった不倫相手の女性に対して、裏切りや復讐、さらなる復讐などを乗り越えた嫁の心の成長や、懐の深さなどが凝縮されたシーンだったと思います。


最後は良かった、と思います。


でも、不倫相手の女性の息子と結ばれるのは、納得できない。


復讐のために、だました相手を好きになる、物語ではよくあります。

若い男性が、年上の女性に夢中になるのは、個人的には理解できます。でも、それは永遠には続かない。小柳ルミ子も離婚しました(覚えている人は少ないかも)。


たぶん、幸せな結婚生活は続かないだろうなあ、数年後には破綻するなあ、と想像してしまいます。

そこまで考えなくも、ハッピーエンドで良かったね、でいいのかもしれませんが。

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