魂の在り処なんて、どうだっていい

可愛くあろうと努力してみせたところで、そうなれるのは外見だけ。見た目が可愛いだけの存在は愛玩動物にしかなれない。人格が、魂が見えないから。

魂は言葉に込められている。声に込められている。私は魂のないぬいぐるみだった。

でも、それで十分なんじゃないか、と思う。

魂の一側面しか見せたくないというのなら、取り繕った見た目と仕草だけを世界に見せていれば良かった。魂の表層だけを見せていれば。

私はぬいぐるみで満足するべきだった。愛玩動物や野良犬で良かったんだ。人間であることを辞めるべきだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

感受性を鈍らせて 詩希 彩 @arms_daydream

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ