まばゆい

眩しい、と思った。目を細めたくなるくらいに。鈍くて、暗くて、それでも私には眩し過ぎるほどの光を放っていた。

見上げたい、傍で見上げていたいと望むようになるまでそれほど時間は掛からなかった。

それから私は光を追い掛けるようになった。私が生まれた理由も生きる理由も忘れて、ただ焦がれ手を伸ばそうと駆けた。

手を伸ばそうと思ったのは、それがあまりにも近くにあって、届きそうだと錯覚してしまったから。触れてみたいと、思ってしまった。光があるのならただ見ているだけで満足すれば良かったのに。

光の行き先へついて回る内に、見上げていたい、触れてみたい、傍に近付きたい想いは強まっていく。

そう、光の傍にいたかった。一番近い場所で見上げて、翳りがあれば私も曇り、より強く輝くのなら目に焼き付けたかった。

いくつもの望みがはらわたの中で混ざり合って、醜く変貌する。それは光の望むカタチではないというのに。

光にも意思があって、傍で見ることを許されるのはカタチの合うものだけ。

私は光を追い掛けるのに夢中で、そのカタチを大きく崩していたことにも気付けなかった。

ただ見上げていたいと、傍にいることを許して欲しいと願っているだけで良かったのに。

今日も光は輝いている。傍に私が居らずとも。その姿すら眩しく、愛おしいと想う。

私はただ、心細いだけ。

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