第6話 地下書庫の日々(2・安全な場所探し)
*****地下書庫の勉強部屋*****
我は鼠のダンジョンと化した地下書庫に閉じ込められた初日に鼠1匹を倒したら・・・実際は身体役のスライムが我に向かって来た鼠を捕らえて倒したのだ。
するとレベルアップ・・・レベルが1・・・ショボ・・・になってステータス画面が見られるようになった。
そのステータス画面では光魔法を使えると表示されたので光魔法をポッチッと押してみたらその詳細が表示された。
その中に
『照明の明かり点灯』
と言う項目があった。
我の頭部をいつまでも光らさせておくわけにはいかない・・・首だけ光って周りを照らしているのも何か我ながら不気味なものだ。
地下書庫の天井部にシャンデリアが備え付けられているのでそのシャンデリアに向かって
「明かり点灯。」・・・「ふにゃらふみゃ。」
・・・実際他人には「ふにゃらふみゃ。」としか聞こえなかっただろうが・・・う~んラノベの魔法が使える世界ではライト等と叫ぶのだろうが、この世界の魔法を唱える法則ではライトと唱えても明かりが灯らず、あくまでも「点灯。」と唱えなければシャンデリアの明かりが灯らないのだ。
と唱えるとシャンデリアに光が灯り赤々と地下書庫内を照らしだした。・・・これで今晩午後6時までシャンデリアがついているようだ。
それを過ぎるとまた地下書庫内は暗闇に戻ってしまう。
暗闇に戻れば鼠どもの天下だ。
我と身体役のスライムだけでは体力が持たず数で押し切られる。
シャンデリアの明かりが点いているうちに何とかしなければ。
ところでこのシャンデリアの明かりは今後『明かり点灯。』と唱えなくとも午前6時に点灯して午後6時には消灯するような仕組みになっているようだ。
この豪華なシャンデリアを光らせている物体はこの世界にいる巨大な蛍のような魔物の魔石だそうだ。
このシャンデリアの明かりの電力・・・魔法の世界なので電力ではなく魔力だ・・・についてはどうやら階段付近に見える勉強部屋に備え付けられた魔石に魔力を時々流し込まなければいけないようなのだ。
その魔石の魔力が切れるか人が地下書庫にいない事を感知すると自動的に休眠状態にはいるようだ。
シャンデリアの明かりが点くと今にも襲いかかりそうになっていた鼠どもはその明かりを嫌って姿を消した。
とはいえ地下3階層にまで及ぶ巨大な円筒状に掘られた地下書庫内で今まで鼠の運動会が開かれていたほど大量の鼠が駆け回っていたのだ。
その鼠どもは物陰に潜み我を得物として虎視眈々と狙っているのだ。
我はその間に風魔法や光魔法、闇魔法の詳細を表示させる。
防御系と攻撃系があるようだ。
風魔法で風の刃・・・ラノベでは『ウインドカッター』等と言うのだろうが・・・それに
等とステータス画面を調べているとカサコソカサコソと鼠どもが我に向かって来る。
闇魔法で調べた際の防御系の
『闇の盾』・・・「ふにやたにゃ」
と唱えて展開したら前が見えないなので、光魔法を同じように調べた際に防御系の
『光の盾』・・・「ひにゃたにゃ」
を見つけて唱えて展開したら透明な魔法の盾だった。
これは良いと周りが見えるので張り直した。
じりじりと鼠どもが周りから続々と現れて近づいてくる早速光の盾を四方八方にキッチリと展開する。
キランと前歯を
ドスンドスンと光の盾にぶつかりひっくり返る。
何か攻撃魔法はそうだ
『光の槍』・・・「ひにゃやゃ」
と唱えて我に向かって来た鼠に使うと我の展開していた光の盾を通過しないで吸収されて盾が強化された。・・・う~ん変なの!?
それならばとステータス画面で先ほど見た風魔法の
『旋風』
を使ってみる事にする。
旋風の英語風に『ウィルウインドウズ』・・・「うにゃららふにゃら」・・・等と叫んでみましたが何も起きません!
『旋風』・・・「ふにゃんふ」
と叫ぶと風の刃が出ると同時に回り始めました。
我の前にいた身体役のスライムがピョンと我の頭の飛び乗り
『危ないじゃないか皇子様!
危うく私も真っ二つになるところだった!
最初から扱いがぞんざいよ!』
と頭の上でプンスカプンと怒っている。・・・う~ん見た目丸い我の頭の上に丸い透明な身体役のスライムが乗っているので不思議な状況だ。
旋風は光の盾を通過して、これだけ周りにひしめいていた鼠の大軍に向かっていく。
『ゴーゴー』
と風の音がして我に四方八方から津波のように向かって来る鼠どもが旋風によって次々と切り飛ばされ・・・細切れになっていく。
それでも目を血走らせて鼠どもが押し寄せる。
鼠どもが倒れ切り倒されていくと
『レベルが上がりました。』
と脳内アナウンスが・・・五月蠅い!・・・脳内アナウンスが五月蠅いがその度に旋風の威力が少しづつ増していき、旋風の範囲がじりじりと広がる。
そのうち小鼠どもを前方に押し出していた小鼠どもよりも一回り程大きな鼠が我に向かって来る。
そいつらも同様に旋風で倒して行く。
また旋風の範囲が広がり、地下書庫の扉を
『ガン』『ガン』
と叩き始め、そのうち我の旋風が威力を増したのか円筒形の地下書庫の回廊の手摺を
『カシュ』『バシ』『カシュン』
と切り飛ばし始めた。
回廊の幅は約10メートルと広いその幅以上に旋風が広がり威力が増したが地下書庫を破壊するのは本意ではない。
旋風の幅を意識して狭めると・・・出来た。
そんな威力が増した旋風に誘われるようにして、まだ鼠どもが襲いかかる。
もう何度目だろうか
『レベルが上がりました。』
と脳内アナウンスがあったのは?・・・またもや小鼠を押し出していた鼠よりもさらに大きな猫ほどの大きさ・・・鼠に天敵の猫か・・・の鼠が向かって来る。
そいつが1匹、2匹・・・5匹と旋風によって同様に切り飛ばされて血飛沫・・・出ないで黒い泡となって消えると黒く輝く石・・・鑑定魔法で見ると魔石・・・や鼠の皮や鼠の牙や肉等が落ちてきた・・・これがドロップアイテムと言う奴か!
猫ほどの鼠が5匹も倒れたら取り付かれたように向かって来た鼠どもが潮が引くように逃げ始めた。
そいつらは余程飢えていたのか倒れた鼠を
物陰に隠れた鼠どもはクチャクチャと共食いを始めた。
この戦いで我が倒した鼠どもは餌になり鼠どもも
5匹目の猫ほどの大きさの鼠を倒したら
『レベルが上がりました。』
と脳内アナウンスがあり更に
『レベルが10にまで上がりましたの身体役のスライムが分離します。』
と脳内アナウンスがあり、我の頭の上に乗っていたスライムがプルプル震えて・・・スライムが分離した。
スライムが分離したのは良いが我の頭の上で分離したので団子三兄弟の状態だ。
ピョンピョンと2体のスライムが飛び降りた。
我のステータス画面は
*****
氏 名 ヨシヤ・オーレライ
年 齢 0歳
種 族 --
身 分 魔王で勇者・オーレライ帝国第一皇子(廃嫡予定)
称 号 --
性 別 不明(男児で出産)
レベル 10
体 力 --
魔 力 ∞
魔 法
【風魔法・レベル20】【光魔法・レベル16】【闇魔法・レベル10】【鑑定魔法・レベル12】【--】【--】・・・風魔法の旋風を使いまくったらレベルが上がり旋風の上級『竜巻』が使えるようになった。
運 --
能 力
【異空間収納ボックス】【魔法レベル促進】【眷属との意思疎通】【魔眼・鑑定眼】【魔法反射】【--】【--】・・・
加 護
【魔法神の加護】【--】【--】【--】・・・
眷 属 スライム1・2(号)
と表示されたのだった。
ここは鼠にとって見晴らしの良いこの場所では四方八方から鼠が襲い来る事が出来る。
何処か安全な場所・・・あった先程見えた階段の側にある勉強部屋だ。
この部屋にでも逃げ込むか。・・・等と思っていたら少し息苦しくなってきた。・・・しまった!・・・光の盾を隙間なく展開してしまい酸欠になりそうだ。
光の盾を少しずらすと新鮮・・・かなり獣・鼠臭い、そして血の匂いがするが・・・な空気が入ってきたのだった。
呪われた我 いのさん @kiis907595
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