実に平凡な日常の風景は本当に大切だったりする。お気に入りのラーメン屋がある日、突然店を畳んでいたり、そういうきっかけで日常は容易に破綻する。そうならない幸福な日常が死ぬまで続いて幸福であった過去に気が付かない人々ももちろんいるけど、物語に旅するぼくらは多分そういう人種ではない。大変いいと思います。
五百井のジョーク・言語センスが秀逸です。ラーメン税が導入されれば、“かんすい”を使用しない“脱税ラーメン”が蔓延ることになるなと妄想が膨らみます。男子高校生の心温まる短編でした。