【検証】うちの学校だけ学生全員が転生してチートスキル使いまくったら

沼津平成

1.九歳の孤独と、僕たちだけの世界

 事の始まりは夏休みに日焼けして帰ってきたマユ子のことばだった。「あたし、ほら、こんなに日焼けしてるやろ?」またいつもの自慢か、と思った。元関西人のマユ子の自慢は本当にうるさい。「ちがうんだよ!」むくれていたマユ子をよそに、僕は振り返った一瞬を悔やんだ。

 僕は頬杖を突きながらぼんやりと黒板を見ていた。

 そして思い出す。僕が転入した時のことを。

【自己紹介しま~す! 転入のゆずるくんです!】 センセがいって、黒板に『ゆずる』と書いた。【そして弟のしゅんくん!】ニランセイナントカ、と窓側の後ろの席のせぇたかいやつがぼやいた。

「ニイチャン、自己紹介してや」と僕はせがんだ。仕方ないなとゆずるは照れて、はきはきした声で喋りはじめた――

「小学三年生、須藤しゅん。29日生まれ。しゅんもそうや。大阪生まれ、ソウルは大阪やけど、沼津の皆と、仲良くしてえ」

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【検証】うちの学校だけ学生全員が転生してチートスキル使いまくったら 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

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