生きる

クロ

第1話 朝

楽しいような楽しくないような、ありていに言えば混沌とした心持ちの中、ゆっくりと目が覚める。


いつからこうかと言われたら、もうよく覚えていないけれど、朝日の煌めきがくすんで見えるのは、このくすんだ心持ちのせいなのか、秋の天気のせいなのか、まだ分からない。


神話時代の天地開闢のように、アンパンマンとバイキンマンをパンの中から捏ね出すように、自分の心が大きく2つに引き裂かれ、世界が確立されるのを、ただ待っている。過渡期の産みの苦しみを体いっぱいに感じながら、生きる意味を問い続ける。


周りは急かしてきたり、落ち着けと言ってみたり、人によってまちまちなのだが、思いやりは頭で分かっていても、何故だが心には響かない。結局のところ答えは神のみぞ知る。自分のペースというのがあるだけだ。

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生きる クロ @kuro_h13

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