第28話 再会

 「ただいま~ 今日も暑いよ」

 と塾から帰宅する想汰。


 鞄を片手で肩に担ぎ、片手にアイスを

持ち、自室のドアを開けた。


 「え……?」

 想汰は驚きその場に立ち尽くした。

 目の前には、想汰の部屋のベッドサイドに

座る朝陽の姿……。


 朝陽は、想汰の顔を見ると、

優しく微笑み、立ち上がり……

 「よう! 想汰、久しぶりだな」と言った。


 「朝陽さん……何で? どうしたの?」

 と驚き笑顔になる想汰。


 「想汰、おまえ大きくなったな……。

 イケメンになって……。いくつになったんだ?」


 「高校三年生……十八歳だよ」

 と想汰が答えた。


 「そうか……俺と同じ年になったんだな。

 このヤロ~、俺よりイケメンになりやがって」

 と懐かしそうに話す朝陽。


 朝陽の顔を見て想汰が聞いた。

 「想汰さん、この人、あの時の……」

 朝陽の隣に立つ男を見ながら想汰が聞いた。


 「想汰君、お久しぶりです。

 私は、時間を管理する『時人』です」


 「覚えてるよ……。そんなこと」と呟く想汰。


 朝陽と時人は互いを見ると微笑んだ。

 「朝陽さん、美緒さんに会いに

行かなくていいの?」

 と想汰が朝陽に聞いた。

 想汰の言葉を聞いた朝陽が真顔で言った。


 「想汰……それは……できないんだ」


 「何で? 僕には朝陽さんが見えてるよ。

 だから、前みたいにできないの?

 美緒先生、今でも朝陽さんのこと

想ってるのに……。ちょっとでも、

顔見せてあげれないの?」と想汰が聞いた。


 「ああ、それは、もうできないんだ」


 「どうして? じゃあ、どうして俺の前に

現れたの?」


 朝陽は、時人の顔見ると、黙り込んだ。

 時人が想汰の前に立つと彼にあることを

話し出した。


 時人が話終わると、想汰は、

 「そうか……そういうことか」

 と言うと優しく微笑んだ。

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