第11話 境内で見たものは
時計は午後八時五十分を示していた。
美緒は、想汰君から言われた通りに
近所の神社の境内に向かった。
薄暗い境内には提灯がいくつも、
下げられており、境内はうっすらと
明るかった。
美緒は辺りを見渡し、
「想汰君? どこ?」と彼を探した。
境内にある本殿裏から、
人影が出て来るのが見えた。
「想汰君なの?」と美緒が言った。
風で揺れる提灯の灯りが人影を
鮮明にする……。
美緒は、その灯りで鮮明になった人影を
見ると驚き、声も出せず、
その場に立ち尽くした……。
本殿裏から出て来た人影……
提灯の灯りが風でゆらゆらと揺れる。
そこには、『朝陽』が立っていた。
「朝陽……」と呟く美緒。
「美緒、元気か?」と朝陽が微笑んだ。
朝陽の出現で、言葉を失くす美緒……。
その、様子を見た朝陽は、
小さな溜息をつくと、後ろを向き
「やっぱり、こうなるよな……」と言った。
「美緒先生……」
想汰君が本殿裏から出て来た
想汰君は、朝陽の隣に立つと、
「美緒先生、来てくれてありがとう……。
驚いてるよね……僕も、驚いてる。
今から、僕の話を聞いてほしい」
と言うと想汰君は、隣に立つ朝陽を見上げた。
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