第8話 『美緒の夢』
その日の夜……美緒は夢を見た。
「美緒、ほら、足元気を付けないと転ぶぞ」
手を差し出す朝陽……
「朝陽……」
はにかみながら、差し出された手を
握る美緒。
手を繋ぎ、真っすぐに延びた道を歩く二人……
美緒は隣を歩く朝陽を見上げる。
朝陽の後ろから差し込む柔らかい光……
朝陽が笑っているのがわかると美緒は、
「朝陽が隣にいる……隣にいてくれる」
と呟いた。
「美緒? 何言ってんだよ。
俺はいつも美緒と一緒にいるじゃん。
美緒、変なこと言うなよ」
朝陽が美緒の頭に手を置いた。
「だって朝陽は……」
彼の顔を見上げる美緒は不安そうに
彼の顔を見た。
彼は優しく微笑むと、
「俺が何? 美緒、約束しただろ……」
ピピピ ピピピとアラームの音で
目覚めた美緒。
「夢……か」と言うと枕元に飾っている
フォトフレームを取り、
「朝陽……笑ってた」とフォトフレームを
胸元で握りしめた。
フォトフレームには、花火を背に笑う
朝陽と美緒が写っていた。
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