第3話 春が訪れ、そして……

 朝陽が事故で亡くなってから……半年

美緒は、悲しみの中、大学を受験し

大学生になった。


 地元を離れ、大学近くのアパートで

一人暮らしを始めた彼女。


 地元の大学に進学した親友智美は

朝陽の親友の聡という彼氏が出来たそうだ。


 大学生活も慣れてきた六月、

智美から美緒へ連絡が入る。

 「美緒元気? ちゃんと食べてる?」

 「元気だし、ちゃんと食べてるよ」

 と返事をする美緒。


 「ね……美緒、今年の夏……

帰省はどうするの?」


 「う……ん」と口を濁す美緒。

 「え? まさか、帰省しないとかないよね?」

 驚く智美。


 「そうじゃないけど……」


 「朝陽君、

朝陽君の初盆 一緒にお参りに行こうよ。

 どうせ、美緒一人じゃ行けないでしょ?」

 と智美が美緒を誘った。


 「智美……ありがとう」


 「じゃあ、帰省の時期が決まったら

 教えてね」と言うと智美は電話を切った。

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