第4話 帰省

 地元の駅に到着した美緒。


 春にこの土地を出てから数ケ月

なのに、物凄く懐かしさが込み上げる。


 駅に迎えに来ていた彼女の姉の車に

乗ると車は自宅へ向かって走り出す。


 「元気そうじゃない……」姉が美緒に言った。

 美緒は、窓の外を眺めながら、

 「うん……元気だよ……」と呟いた。


 自宅に着くと、両親が嬉しそうに

彼女を出迎えた。 

 「美緒お帰り」と母親が言った。  

 「お父さん、お母さんただいま」 

 少しはにかみながら美緒が答える。


 久しぶりの家族揃っての夕食……

寡黙な父親も嬉しそうに、

コップに注がれたビールを飲んでいる。


 姉が美緒に言った。

 「美緒は、バイトしないの?」

 「しようと思うけどね」 


「じゃあ、こんなのは?」

 とスマホの画面を姉から見せられる。


 「塾?」

 「そう、学習塾 結構時給いいみたいよ」


 「ふ~ん、考えておくよ……  

お姉ちゃん、ありがとう」

 と美緒が言った。

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