第15話 バルト遺跡

待っていると、金髪の女性が袋を持って出てくる。


「お待たせしました!3468万リーンです!」


大きな袋をカウンターに置く。


「ああ、ありがとう。」


袋をロッカーに入れていると呼ばれる。


「…あの!」


「何だ?」


嫌な予感…


「ダンジョンに行って下さい!」


…腕試しに行ってもいいか。


「…仲間に聞いてきますね。」


「…!ありがとうございます!」


◇◆◇


酒場に居た白邪と零にダンジョンの事を話す。


「…と、言うわけだ。」


「ふむふむ。」


「よし!行こう!」


「えっ!?行くの!?」


「マジックアイテムが手に入るかもじゃん。」


「まあ確かにな…あっ!海鮮丼3つお願いします!」


「かしこまりました~!」


「…白邪は?行きたいのか?」


「ん?儂?行きたいぞ?」


「今のお前めっちゃ弱いのに?」


「ふっふっふ。」


「「?」」


小さい声で言う。


「神話魔法を手に入れたんじゃ。」


「…えっ?」


「やったね!白邪ちゃん!」


「ふふん!凄いだろ!」


「凄い凄い!」


零が嬉しそうだ。


「ふふん!これで敵をバッタバタ倒してやるぞ!」


「白邪ちゃんかっこいい!」


「じゃろ!?」


「…んじゃ、行ってみるか?」


「「はーい!」」


◇◆◇


目の前にあるのがバルト遺跡、見た目は普通の洞窟だ。時刻は夕方、宿は借りず、野宿らしい。


「疲れたぁ~!」


かなりの距離を歩いてきた、結構疲れた。


「まあ…長かったな。」


「お前らも、もうちょい鍛えたらどうじゃ。」


「おんぶしてもらって、文句言うな…」


「だが、ダンジョンは危険な所じゃ、零や儂は神話魔法を持っているが…お前は神話魔法を持っていないだろう。」


「ああ、そういや言って無かったな、俺は神話魔法を持っているんだ、んまあ回復系だけど。」


「へぇ~、どんな効果?」


「名前はクンリア・リーティア王族の血流、自分とお兄を回復させる魔法だ。」


「自分とそのお兄ちゃんだけ回復させる魔法…普通のハイヒール超回復か鵺で良いじゃん。」


「一応魔力消費無しで使えるから…あと回復量はハイヒール超回復と鵺の間。」


「大体神話魔法は魔力消費無しじゃん。」


「…じゃあとりあえず、レンには前衛を任せよう。」


「…武器は?」


「チェーンソーあげるよ、一応持ってきたんだ。」


「…一応?」


「ほら!異世界と言えば荒くれ者が多そうじゃん?自衛自衛。」


「自衛は大切じゃぞ、レン。」


「…だとしても怖いなぁ。」


◇◆◇


ダンジョン内に入り、ダンジョンマスターを目指している。…だが魔物が出て来ない。というわけで雑談をすることにした。


「…そういやさ。」


「「?」」


「零は何で着物をずっと着てるの?」


「儂も何故その格好をしているのか気になっておった。」


「ああ、これ?これはねぇ…着物が好きだからかな。」


「…んまあ好きなら仕方ないかあ…」


「と、言っても…戦いずらいじゃろ?」


「確かにそうだねえ……そだ」


そう言うと零がたすき掛けをする。


「…それなら動きやすいじゃろう、魔法使いだからと言って、白兵戦をすることもあるからのう…」


「…今日の白邪は頼りになるねぇ」


「ふふん、じゃろ?」


「…そだな」


シャアアアアア!


前からスケルトンが出てきた。


「…何だ、スケルトンか、ファイヤーボール火球。」


当たった瞬間、粉々に砕け散る。


「…行くか、にしても魔物が少ないな。」


「何でだろーね」


「首都のダンジョンだからな、冒険者が多いんじゃろ。」


「そっかぁ。嬉しいような、悲しいような…」


「んま、すぐに先に行けるっていう事でしょ、行こう!」


「…そうだな。」


◇◆◇


「着いたー!」


「ここがダンジョンマスターの部屋か。」


魔物が居なかったおかげで、かなり早く来れた。


「…気を付けて入るんじゃぞ。」


「分かった。」


無駄にデカい扉を開けると…そこには凄く大きいスケルトンが居た。


「行動開始!!」


「「応!!」」


無論、作戦など決めていないのでノリで戦う。


「身体強化!!」「コカトリス!!」


ブイィィィンン!


チェーンソーで足首を破壊する。


「今だ!!!」


「いっけえええええ!」


「魔法強化!!!」


ドゴオオオオオオン!


凄い爆発音の後、スケルトンは粉々になっていた。


「…死んだか。」


「大丈夫?フラグじゃない?」


「大丈夫、宝箱も開いてるし。」


「に…しても白邪?」


「何じゃ?」


「魔法強化って何?」


「ああ、神話魔法の効果じゃ、特定の魔法を強化する神話魔法じゃ、強いじゃろ?」


「確かにあれは強い…」


「じゃろ?」


「とりあえず、宝箱見ようぜ~」


「「はーい。」」


宝箱の中身を確認する。


「…これ!。」


「…ねえ。」


「…うん。」


中に入っていたのは明らかに段ボールだった。


「とりあえず――開けるか。」


「そだね、開けよう。」


「これは何なのじゃ?」


「段ボールって言う物を中に入れれる物だよ、何故この世界にあるかは分からんが…」


「…成程。」


「うい~開けてきたよ。」


「おっ、何があった?」


「とりあえず…こっち来て。」


「? 分かった。」


「これ。」


中にあったのは宇宙だった。


「…説明が出てきたぞ…?」


ウィンドウには《次元の箱:何でも入る。》と書いてあった。


「…帰ってあの袋を入れてみよう。」


「袋?」


「ああ、換金したリーンが入ってる。」


「ロッカーに入れてるのか?」


「勿論!」


「…帰るか。」


「そうしよう。」


「儂もう眠いぞ…」


そう言って愚痴をこぼしながら今晩の宿へ向かう。

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戦闘ロボは進化する! 〜戦闘ロボが人間になったそうです。〜 奈々四 @74sikisennsya

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