大晦日
大晦日に一人で電車に揺られていた。
って何してんだよ、僕!家でゆっくりぬくぬくストーブの熱を浴びて、寝転がりながらみかんでも摘んでおけよ!
だが、そうはいかない。僕は友人の家に向かっているのだ。「でも、友人の家に着くまでは一人じゃん。ぼっち大晦日じゃん」とそんなことを言う僕を体外へと放り出す。
そんな野暮なことを言う奴はいらないのだ。
ただ今まで大晦日に友人といないのことな多かった僕は、大晦日の夜に出歩くことは少ない。大晦日の夜は震えるくらいに寒いことが多いのに、圧倒的にインドアの僕は外に出ることなんてない。
だから、僕はこの日に出歩いている人はどんな奴なのか見てやろうと意気込んで、電車に乗り込んだ。
(あれ?思ったより人がいない)
いたとしても一つの車両に、数人程度。席は意外とガラガラだ。
なんだそんなものかと思いながら、電車を降りて、地元の県での大きな駅に出た。
普段、多くの人が待ち合わせ場所として使うところには数十人程度いる程度だ。
(ここも思っていたよりもいないなぁ)
逆に寂しくなってしまった。乗り換えて、別の電車に乗った時も、やはりそんなに人はいない。
僕の予想では、初詣とか初日の出を見るとか言って、外を彷徨いている人がいると思った。
だが、そんなことはないのだ。
今まで僕は大晦日の夜に、家でぬくぬくする側の人と外出して初詣に向かう人が6:4くらいの比率だと思っていた。
実際には8:2、いや9:1くらいの比率なのだろう。
僕も今年は1の方に仲間入りか……………………………………………。
………………………大晦日の夜にどうでもいいことを考えてしまった。
人生初見 鈴木 正秋 @_masaaki_
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