5

 捜索隊は空振り、村長はだんまり、ジルフォックは知恵を絞ってはいても妙案なし、イレノルはたぶんだが今じゃなくて八年前のことしか頭にない。レノシルフィは現状を頭の中でまとめ、進展のなさに歯噛みした。

 とにかく動かなければ。不調か何かを訴えているのを無視して身体を動かす。甘えに耳を貸している余裕はなかった。

 イシツヤが消えてすでに丸二日が経っていた。三人の失踪、村長の不審行為、探索の空振り、穴の中では混乱が日に日に増大してしまっていた。

 気持ちだけがひたすら急いていた。生きている可能性はある。ドゥニマに対して、イレノルがもっともらしく振る舞っていた話を思い出す。レノシルフィも耳をそばだてはしていた。いっそふざけるなと叫びたかった。可能性がどうのこうのではない。イシツヤは生きていなければならないのだから。しかし、あの場でイレノルに当たっても意味はなかった。

 イシツヤがいなくなった晩のこと、考えまいとしても毎日朝が必ず訪れるようにどうしても幾度も思い出してしまう。配給係の家へ向かっていたとき、イシツヤの心に一番接近した感覚があった。直接触れたようにさえ思った。穴の中に漂う因習、淀み切った東側の諦念、そういうものをすべて超越したような甘美さが気持ちよく身体を溶かした。手を取り合ったとき、何もかも分かった。ずっと前から分かっていた。

 レノシルフィとイシツヤは疑うべくもなく、互いが特別だった。

 そして最後には衝撃と焦燥とが全身を打ちのめす。激しい頭痛、解放、この世界でもっとも大事な存在の気配が消えたことに気がついた瞬間の絶望。一人で天国と地獄を慌ただしく駆け巡るばかりだった。

 警吏のところへ行く。彼と出会った日のことだった。それを告げた両親は淡々としていた。彼らにとって北や南からの指示は身体が栄養や睡眠を訴えるのと同じくらい当たり前のもので、なんの起伏ももたらさないものだった。レノシルフィは幼い時分からその諦めが気にいらなかった。ここに生きている自分とかつて横暴だった蕃神たちとどんな関わりがあるというのか。力関係が存在すること自体が疑問だった。

 だから過去のことを引きずっている村人は嫌いだった。わけても北と南の住人は一塩だった。時には敵意すら向けてくることがあった。それは同時に、無駄な警戒をしている示唆でもあった。彼らはおそらくいつ寝首を掻かれるか不安で仕方がなかった。それをしたのはかつての自分たちの方であるのに。

 警吏の家に行ったとしても一言たりともしゃべるまい。そんな意固地な気持ちを持って訪ねた。それなのに、親同士の話を待つ時間を共にすることになった少年が、あまりに緊張していたのでからかいたくなってしまった。

 今から考えると、イシツヤはほかの面々と違う、対面したときから感じ取っていたのかもしれなかった。そうでなければ話しかけもしなかった可能性だってあった。

 レノシルフィが雨を感じてみるように差し向けると、彼は見事にそれを体感してみせた。その声は弾んでいて、東とそれ以外の垣根など消え去ってしまっていた。

 嫌いすぎたがために、自分もまた東西南北の関係性に固執してしまっていた。彼の反応を前に気づかされたことだった。

 ただただ彼と体験を分かち合いたかった。外へ出るための探検も、自然を感じるための集中も、自分一人で楽しむよりも二人でいる方がずっと輝いた思い出になった。レノシルフィにとってイシツヤは南の住人ではなくイシツヤで、イシツヤにとってレノシルフィは東の住人ではなくレノシルフィだった。二人での日々そのものがいつの間にか好きなものになっていた。

 朝から警吏の集会所には人が集まっていた。一般の住居なら頑張って六人くらいが眠れるかどうかという広さだが、こちらはその倍くらいは入る。だが今は外にまで人が溢れていた。殺気立っているグループと不安に包まれてびくびくしているグループとで大雑把に分かれていた。村狩り崖狩りの効果が確認できないなか、昨日に引き続き緊急体制を敷くことが布告されていた。レノシルフィもジルフォックの招集に応じた形だった。

 集会所の隣にも建物があり、そちらの入り口には普段から存在する仕事をこなしている警備が立っていた。罪を犯したものを収監する場所で、今は村長だけがいる。黙秘を続けていて、蕃神の持ちもののこともそれらが置かれていた部屋のことも語ろうとはしていない。失踪との関係もあるのかないのかはっきりとしていない状況だった。

 混乱を体現している集団から少し離れたところではイレノルが足で小石をいじっていた。考えごとをしているのか、周囲に注意を払っている様子がない。

 彼の頭の中はどうなっているのか、その想像がつかないのは今の組が編成されたときからずっとのことだった。今更気にすることでもない。しかし、異常事態の最中でもどこ吹く風な態度でいられるのはある種の才能だった。

 自分と同じく東側の住人。それ以外のところはあまりはっきりと分かっていない。彼の態度は、ずっと泥に浸かってあがこうともしない連中とは一線を画していた。そもそも泥の中にはおらず、だからといって泥の外に立っているわけでもなく、泥の底に壁のようなものがあってその裏側に彼はいた。

「イレノル、なんか思いついたことでもあったか」

 腕をその腰に当てる。彼は至って冷静だった。考えを中断されたことが不服なのか、抗議のように身じろぎをした。

「別に。ただ、また探索しても意味はないだろうなと思っているだけだ」

「どうしてだよ」

「仮に蕃神がいるとして、そんな簡単に見つかるようなところにいるとは思えない。そうだとすると、もしかしたらっていう想像を広げて探索する必要がある。この穴の中にいる連中にそれができる奴がどれだけいると思う。ジルフォックのところの見下し野郎とかお前みたいな常識を投げ捨ててる奴ならできるかもしれないが」

「それは褒められてんの、あたし」

「好きに受け取ればいい」

 褒められた、ということにしておく。ジルフォックの兄に対しての表現と比べればかなり穏当だった。

「それじゃあ、あんたならどこを探す」

「そうだな……」

 手で頭をぐりぐりと刺激し始めた。

「俺なら壁を回るだろうな」

「壁を? そいつはいったい」

 どういうことか尋ねようとした。

「どうするんだよ、ええ」

 だが、集会所の中から聞こえた怒声で中断した。近寄っていかない連中の間をすり抜けて、何か起きているのかを確認しにいく。イレノルもちゃっかりついてきていた。

「とにかくもう一度確認して回るほかないでしょうが。昨日、三人の誰も探し出せなかったからにはどこかに何かが隠れているとしか考えられないんですから」

「そんなものをどう探せっていうんだ」

 声を荒げているのは警吏のまとめ役の男で、応じているのはジルフォックの父親だった。ジルフォック自身はその場にいないようだった。呼んでおいてどこへ行っているのか。レノシルフィは内心で首をかしげた。

「それは私にも分かりません」

「なんだよそりゃあ。無責任なんだよ、お前らは。村長も村長でどうかしてる。なんだって蕃神の道具なんて」

「それも今、息子が訊いています」

「使えない方のだろうが。お前らがやるべきは兄貴の方の説得だ」

「それもやっていますよ。当たり前でしょう。大変さはあなたでも想像がつくでしょうが。それともそちらでやりますか」

 ジルフォックの父親の方も口調に苛立ちがこもっていた。村長の拘束に至った今、彼が村の一時的なまとめ役なのだがどうにも力不足だった。父親や息子たちと比べて印象がない。

「なんで俺たちが。お前らの仕事だろうが」

「それならあなたたちはあなたたちの仕事に集中したらいかがです。三人を探すことがあなたたちの役割です。どう探せばいいかなんて泣き言を言っていないで、草の根をかき分けて土を掘り返して、手を尽くせ!」

「言わせておけば」

 険悪な空気が漂う。二人の部下たちも気色ばんでいた。今にも掴み合いが始まりそうだった。

 くだらないことで争っていただけか、とレノシルフィは来たときと同じように人の間をすり抜けて外へ戻った。罵り合いはさらに激しくなっていたが、興味を傾ける価値はない。勝手にやっていればいい。

「ジルフォックは村長の取り調べをしているみたいだね」

 同じくするりと戻ってきたイレノルに向かってしゃべる。彼も何が起きているのかが分かった時点で集会所の中への関心はなくなったようだった。

「口を割ると思うか」

「割らないだろうな。推測をぶつければ反応を確認するくらいはできるだろうが」

「何か推測があるのかよ」

「当てずっぽうみたいなものならな。あの部屋には蕃神の技術で作られたものがたくさんあった。それがそのまんま答えな気がしてる」

「どういうことだ。なんかあんたの話って回りくどいんだよな」

 イシツヤの言葉はまっすぐで分かりやすかった。なんだったら良くも悪くも気持ちすらはっきりと出てしまっていた。なんの障害物もないまっすぐな道と蛇のようにうねっていて建物ばかりの道、それくらいの差があった。

「何も回りくどくしてるつもりはないんだが。あの部屋をそのまま受け取ればいい」

「そのまま受け取るっていうのがよく分からないな。より複雑にしないでくれよ」

 もう一度突っ込んでみたもののイレノルは首を左右に動かしただけだった。

 それなら考えるより動けだった。

「あたしたちも行ってみようよ、取り調べ。たぶんあそこでやってるんだろ」

 ジルフォックからの招集なら昨日のように何か動く価値のあるものかもしれない。しかし、手持ち無沙汰になるのは御免だった。

「お前が取り調べに行って何を訊くんだよ」

「あたしじゃなくてあんたが訊けばいいじゃないか。当てずっぽうでも推測があるんだろう。ほらほら」

 イレノルの腕を掴んで強引に引きずった。

「おい、分かったから放せ」

 最初こそ抵抗があったが、すぐに彼は折れた。要望どおり解放してやった。不承不承といった感じの鈍重な足取りながらもレノシルフィについてきた。

 警備に止められはしたものの、ジルフォックに呼ばれたと言うと、疑われることもなくあっさりと中に入ることができた。嘘ではない。

 建物の存在こそ知っていたものの、中に入るのは初めてだった。固めた土と紡いだ藁の壁や天井は自分たちの家と大差ないが、異なるのは地面と壁以外は何もないことだった。食器も炉もここには存在しない。殺風景を極めていた。

「君たち、勝手に入ってきたのか」

 その中央にジルフォックと村長は座っていた。レノシルフィたちはジルフォックの後ろの方へ回る。

「いやいや、ちゃんとジルフォックに呼ばれたって伝えたって」

「呼んだのは事実だけど、ここに来てほしいとまでは言っていないね。まあいいか。どうせ影響はないだろうし」

 村長は身じろぎ一つせず、ジルフォックと相対していた。言葉も発さない。呼吸もやたら静かだった。死んでいるものと勘違いしてしまいそうだった。

「何を尋ねてもだんまりだ。村の制御権はこちらが取れているから、一向に構わないのだけれどね」

「ふうん。あたしたちも試してみてもいいか」

「別にいいよ。昨日協力してもらったこともあるしね。殺さないかぎりは好きにやってくれ」

「そこまではやらんけどさ」

 ジルフォックが腰を上げて横にずれる。レノシルフィは彼の元いた位置へ収まった。イレノルが横から苦言を呈する。

「いいのかジルフォック」

「いいさ。僕も少し休憩だ」

「レノシルフィだぞ」

「さすがに崖から村長を突き落とそうとは言わないだろう」

 イシツヤとジルフォックが自分について交わす会話と流れが似ていた。こんな些細なところにさえ残り香があった。

「さてと、それじゃあ村長さんに質問だ。イシツヤとドゥニマが消えたこと、何か知っていることはある。配給係のことでも一応いいけど」

 相手の足に手を置く。空っぽの家に呼びかけているような気分だった。側だけで中身を持っていない殻、そんな錯覚を起こす。

「蕃神の仕業なのか」

 沈黙。

「蕃神について知っていることは」

 また沈黙。

「どうして蕃神の道具を隠し持っていたんだ」

 これにも沈黙だった。応じる気配が一切ない。腹立たしくなってくる。

「しゃべろうとしないのはなんでだ」

 声の調子を下げてみたが、物怖じする様子もない。長生きしている賜物なのか、ちょっとやそっとで崩れそうにはない。

「……叩いてみていい?」

「やめておいた方がいいかな。さっきは殺さないかぎりはと言ったが、怪我をしたって騒ぎ出されても厄介だ。付け入る隙や口実を与えるべきじゃないかな」

「まあ悪知恵の働くあんたがそういうなら、やめとくよ」

 知っていることがあるのなら引き出したいが、この調子では達成する前に自分が墓に入ってしまいそうだった。

 集中する。今日は雨も風の音もたいして聞こえない。面白味のない日だった。

 こんな日のことはどう思うのか、イシツヤに尋ねられたことがあるのを思い出す。

 感覚を研ぎ澄ませて、自然そのものと一体化できないか試してみる。そう応じた。

 わずかな風でも草の擦れ合いや砂利を転がる石が音を奏でる。だんだんと自分が空気に溶けていく、一つになっていく。その向こうに。

 君が。

「おい、レノシルフィ」

 夢想から引き戻される。声の主はイレノルで、珍しく平静を欠いている印象があった。

「何をぼんやりしてるんだ。寝てるのか」

「寝てない寝てない。あんまりにも何もしゃべらないから、こっちも黙ってみようと思ってさ」

「お前って奴はまったく。本当に何をするのか予想がつかない」

「でもこれも無駄そうだ。あんたと交代するよ」

「交代?」

「そう。なんか推測があるんだろ」

 手は村長の足に置いたままにして、無理やりイレノルを自分と入れ替わりで座らせた。彼は頭をかいたり床を叩いたり落ち着かない様子だったが、やがてあきらめたように力を抜いた。

「あんたは八年前、村の近くに蕃神がいるかもしれないと思った。そうだよな」

 村長の身体がかすかに震えた。これまでになかった露骨な反応だった。

「ソーレ叔母さんがいなくなったとき、捜索隊の指揮をしながらあんた自身も捜索をしていた。村や崖を歩き回っていた。そのときにあの部屋の中にあった何かを見つけた」

 イレノルの頭の中で何と何がつながってそんな話を繰り出したのか。レノシルフィには想像がつかなかった。空と地面をくっつけろ、くらいの難題のように感じられる。どうやってそんな考えに至ったのか尋ねたかったが、どう切り出せばいいのか分からなかった。それに邪魔もしたくなかった。

「だからあんたは今回、何もしていないんだ。蕃神の方から接触してきたとき、自分は敵対者ではないことを示したいから」

「じゃあやっぱりこいつは蕃神の味方ってことか」

「一応な」

 一応という表現にレノシルフィは首をひねる。

「一応って、なんだよその含みは」

「味方をすることがやりたいことそのものじゃないのさ。こいつがやりたいのは、もっと単純で子どもみたいなことで」

 イレノルはそこで言葉を切った。外でどよめきが起こったからだった。

「レノシルフィ、外だ。ジルフォック、そのじいさんはお前が注意しておいてくれ」

 いいところなのに。しかしイレノルはさっさと外へ出ていってしまった。どよめきはさらに増大している。行くほかなかった。

「ジルフォック、よろしく」

「仕方ないな。分かったよ」

 外に飛び出て、集まった人々が何に反応しているのかすぐに分かった。東の方向から謎の歪みが近づいてきていた。ほかに表現のしようがない。凹凸の激しい岩が、広々とした平原の真ん中を突っ切って迫ってきている、そんな感覚だった。その左右は遠くまで知覚ができるのに、その岩とぶつかる線上だけは奥がどうなっているのか掴めない。

 だから、歪み。

「なんだよ、あれ」

 どうにか声を振り絞ってみたところで、現実は変わらない。刻一刻とそれが集会所へ近づいてきているだけだった。大勢がいるのに、誰も何もできていなかった。

「分からない。だけど、ろくでもないものってことだけは」

 イレノルの言葉がまた切れた。今度は続けられなかった。

 イシツヤが消える前に突然発生したあの感覚、認識が狂う例の現象が襲いかかってきた。腹立たしいことに多少慣れてなお、起きている最中に動くことはできなかった。

 困惑、恐怖。沸騰した水の泡のようにあちらこちらから声が上がっていることだけかろうじて分かった。そして、何かがやってきて近くを通ったのであろうことも。

 蕃神。

 こいつこそが。

 時間の感覚など意味がなくなっていたが、解放されるまで以前より時間がかかったような気がした。正気に返ってすぐに確認したのは、自分がどこにいるかだった。

「集会所の前」

 口に出して、注意の範囲を徐々に戻していく。イレノルは感覚を失う前と同じ場所にいた。ゆっくりと立ち上がっている最中だった。ほかの人々は悪夢から覚めたような様子で何が起こったのか事態をまったく把握できずに混乱していた。特に誰かが消えたと騒ぎ立てる者は出てこなかった。

 しかしレノシルフィの直感が告げていた。あの現象は誰かを消すために起きているものだと。

 二つ、気がついた。

 一つは、不足。

 もう一つは、余分。

 罪人のための建物、だが、入り口に扉などなかった。だから中を確認できる。警備も気がついていた。内側へ頭を突っ込んで身体を激しく動かしている。当たり前だった。あるべき気配がなくなっているのだから。

「おい、まさか」

 イレノルも気がついたようで、二人で慌てて建物へ入った。静寂が広がっており、しんとした冷たさが漂っていた。

 ジルフォックと村長が消えていた。

「ジルフォック」

 これがあれの仕業なら。レノシルフィはとって返し、また外へ出る。東の方向、徐々に遠ざかっていたもののはっきり分かった。さきほどは近づいてきていた歪みが、今度は遠ざかっていっていた。

「あれだ!」

「おい、レノシルフィ」

 イレノルを置いて遮二無二駆け出した。あれについて行けば。

 とにかく走る。それ以外考えられなかった。恐怖している余裕すらなかった。不思議がっている猶予もなかった。

 頭にあったのは彼のことだけだった。

 離されることもなかったが距離も詰まらなかった。田んぼ地帯を抜けて彼が消えた例の崖そばへたどり着く。歪みは崖の方へ一直線だった。地面へ注意を向けてみれば、今度は二本の筋ができていた。誰のものかは考えるまでもない。

 さらに草むらへ飛び込んでいこうとしたところで。

「くそ、嘘だろ」

 またしても世界が引っ掻き回された。前後も左右も天地も自己すらも曖昧になっていく。強い吐き気がした。脳に触られているような感覚に苦しみながらも、何か大きな音がしたことだけは分かった。それはまるで崖のうえから岩が壁にぶつかりながら転がり落ちてきているような、そんな激しいものだった。

 そして解放ともに音も止んでいた。倒れ伏していた身体をどうにか起こす。二度続けてくらったせいか、立ち上がるのもやっとだった。

 追跡していた歪みもまた消え去っていた。

 だが、やはり。

「そこだったわけか」

 崖の正面に立つ。

 蕃神の道は、ここにある。

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