多分誰もが一つは持ってるヤマもオチも無い不思議な話

口一 二三四

多分誰もが一つは持ってるヤマもオチも無い不思議な話

 土曜日は四時ぐらいまで起きてるのが普通だった学生時代の冬の時期。

 喉が渇いたからお茶でも飲もうかなってリビングに行ったら、窓の外がやけに明るい。

 車のヘッドライトが入り込んでるのかと思ったけど家の立地的にそれは難しくて、仮にそうだとしても明るいのは通り過ぎずずっと続いていた。

 不思議に思ってカーテンを開くと窓の外、森と空の丁度境目辺りに大きな光が見えた。

 車のヘッドライトと思ってた光はその何十倍の大きさと明るさでキラキラしていて、人工物で無いことは直感的に理解できた。

 だとしたら日の出かな?

 考えたけど時計は四時を回ったところ。

 冬のこの時間に日の出はあり得ないし、夏だとしても肉眼で確認できるのは早い気がする。

 そもそも空は相変わらず暗いままでなんなら星も出てる。

 じゃああの光は一体?

 そこまで考えてちょっと怖く、はならなかったけど疑問は残って多分でけぇ月だろって結論出して寝ることにした。


 翌日あるいは今日の夜。

 そんなこともあったなぁって思い返してた十時前にふと自分の部屋の窓から空を見上げると、てっぺん付近に月がある。

 月は確か大体十二時ぐらいに一番上まで来て西へと落ちていくから、昨日、正確には今日の朝四時に東側にある窓から見えるはずがない。

 一度結論の出た光の正体に疑惑が生まれて、じゃああの暗い森と空の境目にあった光はなんだったのか?

 考えはしたものの、特別怖いわけではなかったし、よくわからない方が面白いからで正体不明のまま特に何事も無く現在に至っている。


 そんなヤマもオチも無い不思議な話。

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