55
身体と精神を離されたような感覚だった。
目を開けると、見たことのない場所にいる。
竜日は周りを見た。
上も下も、左も右も真っ白の空間だ。前を見ると、子供、だろうか。膝を抱いて丸くなって座っている。
近寄って正面に立つ。
「君は?」
嗚咽する声が聞こえていた。膝の間に顔を埋めているから表情はわからない。けれど。
「泣いてるの」
手を差し出そうとしてやめ、隣に座った。同じような姿勢をして、ちらりと隣りを見る。額に角があった。左右で伸び方が違う。右の方がだいぶ大きくなっている。髪は薄い黄色で、すすきのようだなと竜日は思った。
視線を外し、改めて周りを見る。
ここはどこだろうか。
――ジャカさんは、大丈夫だろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます