19

 早速作戦会議を始めた。

 向かい合って、真面目な顔で話し合う。


「ジャカさんは、なにから始めたらいいと思う?」

「確認ですけど、帰る方法が見つかったら、リューカさんは残ってくれますか?」

「うーん……。最人を最人の家の人に引き渡したいけど、あの様子を見るに一緒に帰らない方がいいと思う。最人には諦めて貰わなきゃいけない。世界が違うくらいの距離が必要かも……あ、けど、気が付いたらこっちの世界だったから、もしまた突然帰ることになったらわからない……正直今『絶対に』帰らないと約束するのは難しいのかもしれない……」

「いえ、充分です。自分で意思決定できるなら、ここに残ってくれるってことですね」

「そう」

「それならなんでもかまわねえや。そうだな。リューカさんは予言者に会いたがってましたね。違う世界のリューカさんを予言できた人間、とするなら、何かしらの方法で二つの世界は繋がってたのかもしれない」

「おー、なるほど」

「じゃあ手始めに、この町に来てた奴を探してみましょうか」

「探せる?」

「やってみます。色んな船が出入りしますからね。多分いけるとは思いますが」

「手伝う?」

「いいえ。リューカさんは好きなようにしててください。慣れないことも多いでしょうから」

「うん」

「トーリとカルのことはこれからも好きなように使って下さい」

「うん」

「カルにはこの世界のこと教えるように言っておきます。そうだな。二人でどっかに監禁されてて、逃げて来たことにしときましょうか。国の教育をろくに受けられてないから、ほとんど何も知らない、っつーことで」

「うん」

「サイトくんには」

「私、言っておくよ」

「助かります。たぶんサイトくんは、俺のことが嫌いですから 」

「最人は私のことだって嫌いだと思うよ」

「ええ?」

「本当にありがとう。私ができることがあれば何でも言ってほしい」

「それはこっちの台詞なんですけどね……」

「私は間違ってなかった」


 竜日がしきりに頷いている。

 ジャカは困ったような、照れたような顔で笑っていた。

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