Vol.4/VS.日本刀(4)

「!?」


 驚愕の呻きが、男の口から洩れた。


 不信の表情が、えらの張った顔に浮かんでいた。


 脳天めがけて振りおろされた刀を、オレの左腕が受け止めたからだった。


 腕の肉の三分の一あたりまで切り入り、そこで、刀はつっかえていた。


 避けきれない、と反射的に腕を上げたのだが、途中で、骨に当たって止まったのだった。


 勿論、痛みは感じない。


「肉を切らせて骨を断つ……じゃない、骨で止める、ってか?」


「……くそっ!」


 刀から手を離すと、男は膝から崩れるように、その場にしゃがみこんでしまった。


「お前みたいな化け物に……俺たち普通の人間は敵わん……るなり何なり……どうにでもしてくれ」


 観念したように、男はいった。


 心底、屈服したらしかった。


 オレはいった。


「あんたのいうとおり、オレは化け物かもしれない。だが生憎……ヤクザじゃない」


 左腕から刀を抜き、投げ捨てた。


 傷口が早速、再生を始めていた。


 うなだれたままの男を残し、公園をあとにする。


 駅にむかって歩きながら、再び、携帯を取りだした。


     ※


 彩菜のマンションは、高田馬場にあった。





※次回は12月27日21時頃からの予定です。

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2024年12月27日 21:00
2024年12月27日 22:00
2024年12月27日 23:00

ファントム・オブ・ロック/DEAD SOULS 緒方えいと @eightogata

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