第46話
わたしも、はせくんを抱きしめたくて、緊張している手を一生懸命動かして、広い背中に腕を回した。
はせくんの体が一瞬、びくっと反応したあと、大きく息を吐いて、出せずにいた言葉を口にする。
「洸に会っても、今の気持ち、変わらないでいてくれる?」
「っ!変わらないよ!!!」
「……うん」
そういって、より密着を深めるはせくんに、わたしは、過去のわたしのことも、たくさん好きでいてくれたことを、実感した。
「はせくん、好きだよ。すごく好き。好きになってくれて、ありがとう」
これからは、遠慮せず、はせくんへの気持ちを、言葉にしていこう。
言葉にしたって、はせくんへの気持ちは軽くならない、なくならない。
どんどん生まれてくる感情は、この先も、なくなることはないと、確信しているから。
「こちらこそ。もう、手放さないし、誰にも渡さない」
そういったはせくんの言葉は、いつもよりも圧を感じて、そんなところにも、愛されている実感を得てしまった。
はせくんの腕の中、はせくんの香水に包まれて、自然と引き寄せられるように、名前を呼ばれて上を向けば…。
極上のキスが、降ってくる。
バックヤードの秘め事。
私たちだけの、秘密の時間。
END
バックヤードの秘め事【完結】/番外編を作成予定 広瀬 可菜 @hirosekana2024
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます