【百合小説】「桜色の禁断 - 教壇の向こう側で」
藍埜佑(あいのたすく)
第1話「蕾の目覚め - 春風に揺れる想い」
春風が桜の花びらを舞わせる4月の午後、栄光女子大学の図書館で、村上碧教授は古びた哲学書に目を落としていた。整った容姿と鋭い知性で学生たちの憧れの的となっている碧だが、その瞳の奥には何か物足りなさが潜んでいた。
碧の姿は、まるで絵画から抜け出してきたかのようだった。シャンパンゴールドの髪は肩で揺れ、深緑のシルクブラウスは彼女の白磁のような肌を引き立てていた。細身のシルエットを強調するベージュのタイトスカートは、知的な雰囲気を醸し出していた。首元に光るシンプルなゴールドのネックレスが、彼女の気品を際立たせている。
幼少期、碧は厳格な家庭で育った。両親は「知識こそが全て」と説き、感情表現を抑えることを美徳とした。名門女子校に学び、今は母校の女子大で教鞭を執る碧の人生は、まるで温室育ちの花のように保護されていた。
夕暮れ時、碧は研究室に戻る途中、半開きのドアの隙間から奇妙な光景を目にする。優等生として知られる永田さくらが、誰もいないはずの部屋で、身をよじらせていた。さくらの表情には、碧が見たことのない恍惚の色が浮かんでいる。
「さくらさん、大丈夫ですか?」
声をかけると、さくらは驚いて振り向いた。その瞳には、羞恥と興奮が入り混じっている。
「先生……これは……」
さくらの言葉に詰まりがあった。彼女のブラウスの上から2つのボタンが外れ、白い肌とレースのブラジャーの端がのぞいている。ブラウスの下から伸びるタイトスカートのスリットからは、艶めかしい太腿が覗いていた。頬は薔薇色に染まり、乱れた呼吸が胸元を激しく上下させていた。
碧は困惑した。目の前の光景が何を意味するのか、純真な彼女には理解できなかったのだ。そう、彼女はマスターベーションという行為の存在さえ知らなかったのだ。
しかし碧の心臓は激しく鼓動を打ち始めた。
「あなたは一体何をしていたのです? 私に何か隠していることがあるのですか?」
碧は尋ねた。その声は、自分でも気づかないうちに震えていた。
さくらは小さく笑った。その笑みには、大人の女性のような妖艶さが滲んでいた。
「先生は本当に何も知らないんですね。こんな私みたいな子供が知っているようなことでも……」
挑発的な言葉に、碧は頬を赤らめた。知識を誇りにしてきた碧にとって、無知を指摘されることは屈辱だった。しかし同時に、未知なるものへの好奇心も芽生えていた。
◆
その日の夜、碧はベッドに横たわり、さくらと同じように自分の身体に触れてみた。手のひらが乳房を包み込むと、かすかな疼きが下腹部に広がった。指が優しく乳首を撫で、もう片方の手がゆっくりとスカートの中に滑り込む。
「あっ……」
秘所に触れた瞬間、碧の口から小さな喘ぎが漏れた。指を動かすたび、身体の奥から甘美な波が押し寄せる。初めて体験する悦楽に、碧は我を忘れた。
「んっ……んんんっっ……」
やがて頂点に達したとき、碧はさくらの名を呼んでいた。羞恥と背徳感に襲われながらも、かつてない充足感が彼女を満たしていた。
碧は目を閉じ、激しく上下する胸に手を当てた。初めての自慰行為に、彼女の全身は火照っていた。指先に残る湿り気と、まだ疼きが収まらない秘所。碧は驚きと戸惑い、そして言葉にできない高揚感に包まれていた。
「私……こんなことを……」
囁くような声で呟きながら、碧は自分の体の変化に戸惑いを覚えていた。頬は熱く、唇は乾いていた。舌で唇を湿らせると、そこにも甘美な余韻が残っているようだった。
碧は静かに目を開け、天井を見つめた。月明かりが窓から差し込み、部屋を幻想的な青白い光で満たしていた。その光の中で、碧は自分の体の輪郭を確かめるように、ゆっくりと腕をなぞった。
「さくら……」
その名を呟くと、再び下腹部に熱が集まるのを感じた。碧は困惑しながらも、その感覚に身を委ねた。彼女の指が再び秘所に伸びる。
翌朝、鏡の前に立った碧は、昨夜とはまた違う自分の姿を見つめていた。瞳の奥で何かが目覚めたのを感じながら、碧は新しい一日の始まりを告げる朝日を浴びるのだった。
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【百合小説】「桜色の禁断 - 教壇の向こう側で」 藍埜佑(あいのたすく) @shirosagi_kurousagi
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