オファー④

 妹にも事情を説明して、快諾を得た。但し、「4人以上にはしない」という条件で。人が増えれば増えるほど意思疎通は難しくなっていく。千尋も言っていたけれど、個人的にも4人が妥当だとは思っている。


 夜9時半過ぎ……


 僕達は揃って新しい仲間になるかもしれない人、七桜さんの声に耳を傾けていた。もっとも僕以外の2人には最初から話さないように伝えた。


「こんばんは、七桜です」

「こんばんは。来てくださってありがとうございます」

「いえいえこちらこそ、お時間をいただけて嬉しいです」

七桜さんの声や話し方からは上品さが伝わって来る。もしかしたら、年上の方なのかもしれない。


「七桜さんは、その、失礼ながらおいくつの方なんですか?」

「えっと、私の年齢ですよね。16歳です」あらら、読みが外れたか。

「そうでしたか。てっきりもう少し年上の方だと勝手に声を聞いて思っていました」

「あなたははおいくつなんですか?」

「私も16歳です。高校2年生になったばかりなんですよ」

「そうなんですか!すごいですね。残りのお二方は……」

「似たような年齢です。驚きましたか?他言は無用でお願いします」

「もちろんです」

なるほど、なら話しやすいか。少しタイミングは早いかもだけどそれじゃあ本題に。

「それで、あなたはどうしてこのグループに入りたいと?」 

「それは……」

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眠れないわたしができるのは眠りへのお手伝いだ 諏訪彼方 @suwakanata

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