第2話 兄がいました ※
おはよう世界。魔法は存在した! ……たぶん。
魔力らしきものを感じ取れるようになってきた。これがチャクラとか気とか言われるものかもしれないと一瞬思ったけど、わからないから魔力ということにしときます。まあ、これがチャクラでも忍術が使えれば別にいいんだ。
結局、ワクワクするような不思議な力が使えればいいのだ!
ド派手な魔法で戦う魔法使いもいいけど、技巧をこらした忍術で戦う忍者もいい。
そういえば、あの後に父にも会うことができたんだけど、その時になんと兄二人が一緒に会いに来たんです。自分は三男っぽい。テンプレだね。
だいたい長男が家を継ぐ、次男は予備だ。三男以降は家を出るように言われて、冒険者になるんだよ。テンプレだね。
そして、SSSランクの冒険者になって世界最強になるんだよ。テンプレだよね?
つまり、三男の僕は魔力トレーニングで最強を目指すのだ。剣の練習とか赤ちゃんには無理だ。まあ、ほとんど寝ちゃうんだよな魔力感知の瞑想やると。赤ちゃんだから仕方ないよ。
ちなみに父の職業というか家の仕事は農家っぽい。家の近くで仕事してるみたいで昼は家で食べてるし、父の手伝いしてるっぽい次男が手とか土汚れがついたまま会いに来て、母に怒られてた。収穫の手伝いをしたのか次男がとれたて野菜みたいなのを自慢げに見せに来たこともある。長男は一緒に来なかったけど父に農業の指導とかされてるんだろうか?
そういえば、次男の名前はレオンらしい。ちょっとしつこいくらいに連呼してたから呼んでほしいんだろう。長男は名乗ってたかもしれないけど、言葉がわからないからどれが名前かわからなかった。次男みたいに名前だけ連呼してくれればわかるんだけどなぁ。
父も母も名前はわからない。だけどなんとなく「パパだよ」「ママだよ」みたいなことは言ってるみたい。もしかしたら「父ちゃんだよ」「母ちゃんだよ」かもしれないけど。
そんなこんなで何ヶ月か経った頃、ようやく魔力が動かせるようになった。まだ、ちょっとだけだけどね。もしかしたら、もっと良い特殊な呼吸法があるのかもしれないけど、そんなこと赤ちゃんがやってたらおかしいよ。安全第一。
深呼吸なら目を閉じて瞑想する分には寝てるように見えるから問題ない。実際、寝ちゃってることも多いんだから全然問題ない。家族からはよく寝る子だと思われてそう。
そのうち魔法の練習を始めるんだけど、テンプレだと生活魔法かな? 火で失敗しそうになったり、水でおもらしと勘違いされたりするんだよ。土は部屋が汚れるし、最初は風がいいのかな? 光とか闇とかもあるけど上位属性とかだと難易度が高そうなんだよなぁ。
そういえば魔法の事ばかり考えてたけどスキルはあるんだろうか? 異世界三種の神器といわれるスキルに鑑定、アイテムボックス、異世界言語があるけど、魔法でできる話もあったな。鑑定魔法に空間魔法に翻訳魔法、スキルなくても魔法があればなんとかなるかな?
あっ! 鑑定で思い出したんだけど、異世界転生でテンプレのステータス確認してないじゃん! ダメじゃん!
いくぜ。ステータス・オープン!!
【名前】ロウ
【レベル】1
【ジョブ】未設定
【称号】未設定
【加護】なし
【スキル】魔力感知LV1
【魔法】なし
ステータスはありました。名前はロウです。
加護と魔法がまだないのはいいとして、気になるのは未設定って書いてある二つ、ジョブと称号だ。ステータス画面から設定できるんだろうか?
ジョブに集中して設定しようとしてみる。
【ジョブ】未設定
[設定可能ジョブ]
見習い魔法使いLV1
設定できそうだ。魔力感知のスキルもってるからかな? 見習い魔法使いを設定してみよう。
【ジョブ】見習い魔法使いLV1
設定できた。できたけど何か変わったのか? そういえばステータス画面に体力とか魔力とかの能力値が表示されてなかった。見えないだけで魔力とか魔法攻撃力とかが上がってたりするのかな?
まあ、見えないものはどうしようもない。見えるものだけでどうにかするしかないな。ゲームじゃないからアップデートとかないだろう。あってほしいけどね。可能性低そうだけど教会とかで神様にお願いしてみるのもありかな?
あっ! やべ! 今の僕、赤ちゃんじゃん。赤ちゃんがジョブとか設定してたらまずくない? ジョブってはずせる? はずせないとやばくない? 教会の司祭さんとか医者とか商人とか鑑定できそうじゃない? はずれてくれぇ。
【ジョブ】未設定
はずせたー。たすかったー。誰かに見られなくてよかったよー。こうなると称号も設定しないほうがいいよね。でも、見るだけ見とくか。めっちゃ気になるし。
【称号】未設定
[設定可能称号]
なし
ないんかい! あるとおもうじゃん! 転生者みたいなのあると思うじゃん! もういいよ。ステータス確認終了。魔法あるってわかったし、努力が無駄じゃなかった。
あっ! いろいろあって流してたけど、僕の名前はロウです。よろしくね!
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