「いい加減、機嫌直せよっ。じゃないと、孝直もどうしていいか分かんねぇーから。お前が孝直のことを思って言ったこと、本人が一番良く分かってるから…。ただ、こればっかりはどーにも出来ねぇーんだ。分かってやってくれよっ。なっ？」

新は、孝直と雄助の顔を交互に見ながら言った。

「おっ、俺は…べっ、別にフツーだ」

「そっか。じゃ、昨日のこと謝らないと…なっ。あれは、やり過ぎだ」

「…っ」

雄助は戸惑う…。

「人に対する礼儀も大切だ。自分に非があったら…」

「分かったよ…」

もう、たくさんだっ！と、言わんばかりのうんざり顔で雄助は言った。

「昨日は、わっ…悪かったな…。カーッと、なっちぃまって…」

「いえ…」

「じゃ、仲直りした所で、行きますかっ！」

新は笑顔を浮かべ、言った。

「…んっ？」

何かに気づいた雄助が少しイラッとしながら言う。

「狙いはこれかっ！」

雄助は新を睨んだ。

睨むのも無理はない…。

今朝、早く新は雄助の家を訪れていた。1つの頼み事をするために…。

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