第47話

「ここ最近、お前の様子がおかしかったから…心配でこっそり2人でお前の後をつけたんだ」


眉を寄せ、「わりぃーな」と、詫びる新。


その隣では、いたずらっ子のような笑いを浮かべた雄助が楽しそうに言った。


「そっ。そこで、教会に入ってく可愛い、お嬢さんを見たってわけよ」


…つっ…つけられていた!?

全然気がつかなかった…。


孝直は自分の鈍感さを悔いた。


んっ…? 

ちよっと、待てよ…。

あの…やりとりも!?


「若いっていいな~」


コソッと雄助は新に耳打ちをする。その顔は、ニヤついていた。


ウンウンと頷く新の顔もニヤついている。


見られた…。

見られてたっ!?


孝直は耳まで真っ赤になる。


「何? 茹で蛸みたいになってんの?」


「えっ…あっ…」


あのやりとりを先輩2人に見られていた…と、考えるだけで…

恥ずかしいつ! 恥ずかしすぎるっ!!


孝直の様子に怪しさを感じる雄助。


「あー! なーんかやましいことでもしてたのか!?」


「マジかっ!? 考えろよっ! 教会っていったら…神聖な場所だぞっ!!」


「しっ、してませんっ! 何もっ!!」


孝直は両手を大きく左右に振りながら、大声をあげて否定した。


大衆酒場の客達が一斉にし~んと静まり返り、孝直達を見た。

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