第44話

「えっ…」


孝直の頬が少し赤く染まっていた。


なに…。

どういうこと…?


状況がいまいち理解できずに、どうしたらいいのか…今度はさゆりが困ってしまった。


「…う…」


「……?」


「…ありがとう」


孝直は恥ずかしそうに頬を赤く染めたまま、お礼を言った。


「えっ…? どういうこと…?」


「俺…この髪も目も好きじゃなかった…。子どもの頃から、よくバカにされてて、嫌で嫌で仕方なかった…」


孝直は悲しい表情でポツリ…と、話した。


「でも…さゆりがキレイって言ってくれた。そう言われたのは初めてだったから…」


「…孝直さん…」


「嬉しかった…ありがとう」


満面の笑顔は、嬉しさと恥ずかしさが入り交じっていた。


さゆりも嬉しくなり、笑顔を浮かべる。

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