第22話
ゆかりは生まれつき
成長するにつれて、寝込むことは少なくなったが、左足は名医と言われる医者を片っ端からあたり、診てもらったが良くなることはなかった。
幼い頃から歩行訓練を行った甲斐があり、杖を使うことで、ゆかり1人でも左足を引きずりながら、歩くことが出来るようになった。
父親は左足が不自由ということを恥じ、ゆかりを本宅よりも奥…人目に触れぬよう小さな別宅を建てさせ、そこへ住まわせた。
最低限の生活が出来る質素な家と暮らし。別宅には、1人の侍女がいるが、さゆりは1日の大半を1人で過ごしている。
父親は、さゆりが生まれてから、ゆかりの存在自体がなかったような扱いを始めた。
ゆかりの元へと通うことを良く思っていない父親の目を気にしながら、さゆりはこっそりとゆかりに会いに行っていた。
何でも知っていて、何でも器用にこなす、優しい姉をとても慕っている。
母親は、ゆかりのことを気にかけているが、夫の手前、会いに行くことはせず、こっそり侍女に手紙を預けたり、ゆかりが1人で生きていくことが出来るようにと、勉学、料理や掃除等身の回りのことを教えてくれる人をばれないように別宅に招き入れていた。
…そうだった…。
さゆりの脳裏に蘇る記憶…。
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