とある3人組のお話

お稲荷

退屈な日々

 一限は数学 二限は世界史 三限は現文 四限は物理 昼飯は学食のいつもの場所でいつもの3人でいつものA定食を食べる。きっと午後もいつもどうり退屈なんだろう。

 そう思っていた。

「なあお前ら明後日暇か?」

 今話しかけてきた男は紀野きの伊志ただし(タダ)、俺の幼馴染だ。

「まぁうちは暇やけど。史郎しろうはどうなん?」

 この関西弁の男は丹部にべふく(ニベ)、伊志と同じく俺の幼馴染だ。

 幼馴染と言っても小中高同じ学校だっただけで家は別に近くない。

 そして史郎(シロー)が僕だ。

「僕も特に用事はない。何かあるの?」

「いや、もう二年の冬じゃん。来年は受験勉強で何かと忙しいし、どっか行きたいなと思ってな」

「そうだね。じゃあ放課後行く場所決めようか」

「そやなぁ。じゃあ放課後、五時ぐらいに駅前のファミレスに集合とかでええか?」

「「それで」」

 そこで予鈴が鳴った

「んじゃ、放課後にまた」

 僕はワクワクしていた。最近退屈だったんだ。皆で出かけるのも久しぶりだ。金土日は退屈な日々ではなくなった。

 その後の授業もいつもより楽しかった。

 放課後ファミレスにつくと二人は既にパフェを食べてた。

「おせーぞシロー」

「めっちゃ待ったんやで」

「ごめん、ホームルーム長くなって」

「ほなしゃーないなぁ」

「あー、お前んとこの担任の太田話長いもんな」

「シローもパフェ頼んだらどぉや。めっちゃうまいで」

「いや、僕はいいよ」

「そんなことよりさー、行くとこ決めようぜー」

「デ〇ズニー」

 僕が言った

「めっちゃ遠いやんか。ここ神戸やで。せめてユニバ」

「もっといい場所がある」と伊志

「どこ?」

「この前閉館した図書館」

「は?」

「なんもないやん」

「夜景がクッソ綺麗やねん。図書館の周りでっかい公園だから空気きれいだし、タワマンとかビルとか近いから綺麗だし」

「犯罪だよ」

「いま冬やで。めっちゃ寒いやん」

「寒いからこそだろ。あと夜はまじで人いない」

「たしかになぁ。冬は景色きれいやな。ほな図書館で」

「丹部まで。まあ僕も行くけど」

 行先が図書館で決まった。不法侵入になるけど大丈夫かな。

「どこで待ち合わせる?」

「公園の南口20時でええんちゃう」

「それで」

「うし、じゃあまた日曜20時に」

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この物語はフィクションです。

実際の人物や団体とは関係ありません

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とある3人組のお話 お稲荷 @baronnk0817

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