第37話
意識を手放してどれだけの時間が過ぎたのか、微睡みの中遠くで子供達の賑やかな声が聞こえる。
「ただいまーっ!」
二人の声が聞こえる。
「おかえり二人共。ママ寝ちゃったから、起こさないように、しー、な?」
「はーい。しーだよ」
「うん、しー」
小声でクスクス笑いながら、子供達と海吏の可愛い会話に、目が冴えてくる。
ゆっくり体を起こすと、身なりは綺麗に整えられていた。
海吏はどんな手を使って、意識のない私を元通りにしているのかと、毎回思う。
ベッドから降りて、リビングに行くと、おやつを食べる二人の子供達と、海吏がこちらを見た。
「ママ、ただいまー」
「ただいまー」
「おはよう、瑞葵」
走りよって抱きついてきた子供達に私は「おかえり」と笑って答えた。
おやつを食べに戻った二人と入れ替わるように、海吏が私の前に立って抱き寄せる。
「寝てなくて平気か? 体、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。ありがとう」
少し頬が熱くなるけど、子供達のいる手前、平然を装って海吏に笑いかける。
子供達から見えないからと、海吏は私のお尻を撫でて軽く揉む。
「エロい顔すんなって……またシたくなるただろ」
「誰のせいよっ……」
勃ち上がってはいないものの、擦り付けるような仕草をする海吏の腕を叩く。
「あー、また二人がイチャイチャしてるー」
「仲良しだなぁー」
「パパはママが大好きだからな。たまにはパパにもママを独り占めさせてくれよ」
二人に顔だけ向けて言った海吏に、子供達は声を揃えて「仕方ないなぁー」と笑った。
宿題を済ませ、遊びに行ってしまった子供達がいなくなった部屋が、また静かになる。
だからといって、静寂がある訳じゃない。
「何回シてもっ、足んねぇっ……んっ……ずっと、中、入ってたいわっ……く、あっ、はぁ……」
「あっ、奥っ、もっとぉ……」
激しくはないものの、奥を重点的に刺激される行為に、ただ喘ぐ。
肌が粟立つ感覚が、たまらなく心地いい。
「瑞葵っ、好きだっ、愛してるっ……」
「かい、りっ……私もっ、あぁっ、ふっ、愛し、てるよっ……ん、ああぁっ!」
耳元で愛を囁かれ、絶頂へと誘われる。
これからも私はこんな調子で、毎回海吏に翻弄されて、夢中にさせられて行くんだろう。
可愛い子供達の笑い声と、海吏の優しい温もりに包まれながら。
~完~
純愛(?)な溺愛 柚美。 @yuzumi773
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