エピローグ
第28話
新しく買った綺麗なワンピース型ドレスに着替えたのに、私はキッチンで後ろから律樹の昂りを受け入れている。
「律っ、ダメっ、ンっ、あぁっ、服っ……汚れちゃっ……んああぁっ……」
「はぁ……ンっ、そんなエロい格好するっ、美都がっ、悪いっ……」
そんな事を言われても、そこまでのドレスを選んだつもりはないのだけれど。
肉がぶつかり合う音に、水音が混ざり、いやらしく耳まで犯される。
ドレス越しに胸の先端を刺激され、もう片方の手で下の突起までもが弄られる。
「律樹っ、やっ、待って、それ、やだっ! あぅああぁあぁあっ!」
「ぅ、ぁ、やばっ……くっ……すっごい、締まったっ……」
絶頂し、体を痙攣させる私の体を挿入したまま床に寝かせて、そのまま覆い被さるような体勢で激しく突き上げられる。
時間にはまだ余裕があるものの、こんな事をしていたら、時間がいくらあっても足りない。
「美都っ、美都っ……好きだよ……」
「律、樹っ……イ、ちゃっ……」
同時に達した後、律樹がフワリと笑って額にキスが降る。
今日は結婚式に招待されていた。
高校を卒業して数ヶ月、普通に会ってはいたけれど、さすがに頻繁には会えなかったから、また久しぶりに会えると思うと、年甲斐にもなく浮かれてしまう。
「よし、そろそろ行くか」
ドレスだけでは駄目だと言われ、上から上着を着せられて二人で手を繋ぐ。
スーツ姿の律樹は見慣れているのに、やっぱり格好いい。
式場の大きさに、さすがと言うか何と言うか。
派手なイメージの彼が選んだのだろうと、容易に察しがつく。
それを苦笑しながら了承する、彼女の姿が目に浮かぶ。
控え室に案内され、私は一人中へ入る。
「美都っ!」
「わぁ、綺麗……。やっぱり純白が良く似合うね、紅羽は」
照れたように笑う紅羽は、物凄く幸せに満ちていて、こちらまで嬉しくなる。
少し話をして、用意された控え室に戻ると懐かしい顔がチラホラ見える。
談笑していると、式が始まる。
式の後も終始幸せそうな二人に、胸が暖かくなる。
紅羽には、幸せになって欲しい。
私の人生に光をくれた人の一人だから。
律樹が優しく手を握り、微笑む。
微笑んで、その手を強く握り返した。
そして見つめ合い、二人で同時に囁く。
『愛してる』と。
[完]
虚無の果て〜城戸美都の場合〜 柚美。 @yuzumi773
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