第17話

私の誕生日は早生まれで3月の上旬にある。再会して、正式に付き合い始めたのって、3月半ばあたりからだったから、確かに私の誕生日は過ぎていた。だから、別に大した期待もしてなかったのに、まさか気にしてくれていたなんて知らなかった。


「あと、歳が13も上なんだし。たまには年上らしいこと、させろよな。これくらい俺が買ってやる」


坂井さんが、らしくないことばかり言う。これ、夢?ほんもの?中身は別人とか?!


坂井さんは私の方に向き直ると、私はドキッとして坂井さんを見つめた。


「じゃ、お礼に…」


「お礼?」


「あのね?名前で…呼んでもいい?理…さん、とか。それとも呼び捨てがいい?」


「え?!」


坂井さんは顔が赤くなって驚いている。私は嬉しくなってきて、繋いだ手にギュッと力を込めた。


「理さん。ふふ。年上の彼氏っぽくなってきた」


「…チッ」


そう言うくせに、ちょっと嬉しそう。すると、喫煙所が見えてきて、


「あ、じゃ、五分だけ頂戴!ここで待ってろよ!」


と理さんはそう言って紙バッグを私に手渡すと、喫煙所があるガラスのブースの向こうに駆け出していった。私はそんな理さんの背中を見送りながら、腕を組んで微笑んでしまった。


まったく。


ほんとに、タバコ、大好きだよねぇ。でも、こうして一緒にお出かけ出来たことだし。


満足満足!

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続・君につづく道 びぅむ @itsumoegaode0714

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