第48話
「それは――」
「それは?」
答えをため込むチェスターに、アーチェはイラついたように両脇に手を当てながら訊いた。
その様子をちらりと見たチェスターは、にやりと笑い、
「…おまえには教えてやんねぇよ」
「なっ!?」
「とにかく、俺は毒味役をやりたくねぇんだよ!」
ばーかと付け加えて、舌をべーっと出す。
その瞬間、何かがぷつりと切れる音がした。
肌がピリピリした。
逃げる余裕は…ない。
「こ、こんのぉぉお~!
サンダーブレード!!」
アーチェが右手を上げると、チェスターに向けて魔法を放つ。
ズガぁぁぁあ!!
「んぎゃあああ!!」
☆
「クレスさん!今の…」
耳を塞ぎたくなる轟音と、直後に響いた断末魔。
朝食をとっていたクレスとミントは嫌でも気がついた。
「ああ…アーチェが…」
「アーチェさんが来てくれたんですね」
そう言うと二人は中断した食事を再開した。
「食べ終わったら、チェスターの家に行こうか」
「はい」
おし…まい?
料理のお話 かねこかずき @kaneko507
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