第48話

「それは――」


「それは?」


答えをため込むチェスターに、アーチェはイラついたように両脇に手を当てながら訊いた。


その様子をちらりと見たチェスターは、にやりと笑い、


「…おまえには教えてやんねぇよ」


「なっ!?」


「とにかく、俺は毒味役をやりたくねぇんだよ!」


ばーかと付け加えて、舌をべーっと出す。


その瞬間、何かがぷつりと切れる音がした。


肌がピリピリした。


逃げる余裕は…ない。


「こ、こんのぉぉお~!

サンダーブレード!!」


アーチェが右手を上げると、チェスターに向けて魔法を放つ。


ズガぁぁぁあ!!


「んぎゃあああ!!」



「クレスさん!今の…」


耳を塞ぎたくなる轟音と、直後に響いた断末魔。

朝食をとっていたクレスとミントは嫌でも気がついた。


「ああ…アーチェが…」

「アーチェさんが来てくれたんですね」


そう言うと二人は中断した食事を再開した。


「食べ終わったら、チェスターの家に行こうか」

「はい」



おし…まい?

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料理のお話 かねこかずき @kaneko507

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